2014年06月13日号

透明は角膜のいのち①角膜の構造


 今回からは、良好な視力を維持するために必要な角膜の透明性について考えます。


 角膜は眼球の外に飛び出た透明な部分で強膜(白目)につながり周囲は結膜に囲まれています。この角膜を拡大して観察すると、おおざっぱに3層構造をしているのが分かります。大部分は角膜実質という硬いコラーゲン繊維で出来ていますが、その表面は何層もの細胞が重なった角膜上皮細胞(以後、上皮細胞)で覆われ、裏面は1層の角膜内皮細胞(以後、内皮細胞)で裏打ちされています。ちょうど超薄切りのパン(上皮細胞と内皮細胞)で分厚いハム(角膜実質)を挟んだようなサンドウィッチ構造をしています。


 上皮細胞層の働きは、涙腺から出る涙と共に角膜表面へ涙液成分を分泌し潤いを保持しています。潤いの維持により角膜表面は常になめらかな状態を保ちレンズとしての機能を安定化させています。そればかりではなく角膜表面を潤している涙から酸素や栄養を内部に供給しています。また上皮細胞は角膜の最表面にあり外界に曝されているため病原体の角膜侵入を防ぐ重要な役割を担っています。


 次に角膜実質の働きですが、硬いコラーゲン繊維が膜状に幾重にも層をなしているため堅固で角膜の形状を保持し、容易にレンズ形状は変形しません。この実質は少し特殊な構造をしています。角膜周辺の一部を除き、中心部を含む大部分の角膜実質には血管がないのです。そのため角膜実質の栄養補給は上皮細胞層を介して角膜表面を潤している涙と、内皮細胞を介して前房を循環する前房水により供給を受けています。これにより光は効率よく眼内に入ることができるのです。


 最後に内皮細胞の働きですが、角膜実質への栄養補給以外に、角膜実質内を通過する水分量を調節し角膜全体の厚さを一定に保ち角膜の透明性を保ちます。


 これら3層の生理的環境が壊れると角膜の透明性の維持が困難になり、角膜は混濁し視機能に障害が起こります。


microSD 32GB

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