2014年07月25日号

貧しさの、その先には・・・


 父が陸軍の通信兵になったのは、貧しさで高等科(高等小学校)までしか行けなかったためだと聞かされて育った。昭和の初期は、義務教育は尋常小学校6年だけで、その先は、男子は中学校、女子の場合は高等女学校、上級校へ行けない貧しい家の子弟などは、尋常小学校でやめるか授業料は必要だが2年間だけの高等小学校へ行ったのだという。成績は良かったのに「高等科しか行けなかったのが悔しかった」と、子供の前でも幾度か口にした。高等科を出てから、通信兵として電気技術を身に付けて世に出ることに夢を繋いだ。入隊して手にした給金はほとんど家に送り続けたという。


 教育も受けられない貧乏人が身を立てるには、兵隊に行くのが一番の近道だった。戦争になれば命がかかるが、お国のためと胸を張れて、何より現金で給与がもらえる。父の場合は、それに技術習得の目的が加わっていた。その戦前の“常識”は、貧しい我が家では戦後にも生きて、2人の叔父が自衛隊に入隊した。


 今、若い年齢層を中心に非正規雇用者数が年々割合を高め、低所得にあえぐ人々が増えている。この国が、米国の圧力に乗じて小泉政権時に針路を変えた結果だ。これに先駆けて、経済団体がこの政策の提言を出した時、「なぜ将来を背負う若い人を犠牲にするのか」という強い疑問を感じたことを覚えている。若者の仕事と生活を不安定にして労働生産と消費が低下すれば、経済基盤がますます弱くなるはずなのに…。


 「戦争ができる国」へと新たな針路に舵を切った安倍政権の後ろで、経済界は“防衛産業”の成長に期待をあらわにしている。その陰で、自在に操れる“日本軍”にしたい米国の思惑が見え隠れする。そして、国の底辺では兵士候補に好都合な貧困層が拡大している…そんな不気味な構図が浮かび上がってくる。


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