2014年08月08日号

透明は角膜のいのち③角膜上皮の防衛機能


 角膜は温度・湿度・光・空気などの外部環境に大きな影響を受けていますが、たとえ熱帯に行こうが北極に行こうが角膜障害を起こしません。涙と角膜上皮細胞が状況に応じて角膜機能を正常に保つ能力が正常に働くからです。この涙と角膜上皮の関係に異常が生ずるとどうなるか、前回は「ドライアイ」を例に上げてお話しました。今回は病原体や有害物質から角膜を守るために涙液と角膜上皮はどのような働きをしているか。その防御機能についてです。

 細菌などの病原体や今話題のPM2・5などの有害物質は、日頃の生活空間に満ち溢れており、目を開けたとたん角膜に付着しても何ら不思議ではありません。また、角膜を囲む結膜の表面には細菌などの微生物が常在しています。つまり角膜や結膜は決して清潔な環境に恵まれている訳ではなく、むしろ細菌などに汚染された不潔な環境にあると言った方が良いかもしれません。日常このような環境でも角膜に感染症などが起こらず、正常な角膜機能を維持していられるのにはいくつかの理由があります。その第1として、涙液にはリゾチームという殺菌力のある物質が成分に含まれ、これが病原菌の毒性や増殖を抑えていること。第2は、瞬きにより細菌などを常時角膜表面から涙道を通して排出していること。第3は、何層にも重なった細胞で構築された角膜上皮細胞は容易には病原体の侵入を許さないことなどです。また涙液による瞬間洗浄機能も備えています。目に異物感や痛みを急に感じると涙が突然あふれ出て異物を洗い流してしまいます。この様な理由から、通常は病原体が角膜を通して眼球内部に侵入することはありません。つまり「角膜は日常病原体と共存しているが、涙と角膜上皮細胞機能が正常であれば、病原体により侵されること(角膜感染)はない」ということです。細菌が角膜に侵入できるのは、何らかの条件が揃ったときに限られます。


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