2014年08月29日号

透明は角膜のいのち④防衛機能が破綻した


 前回は、涙と角膜上皮細胞が結膜や角膜表面に常在する細菌などの病原体から如何に身を守っているかを取り上げましたが、今回はその防御システムが外力によりどのような時に破られるかについての話です。


 ①角膜の切り傷・刺し傷・鉄粉飛入 最も典型的なのは、外部からの直接的な力により角膜が損傷を受ける外傷性角膜障害です。代表的なものには、昔は「突き目」といわれた、稲刈りなどの作業中に稲の先端で目を突いてしまうもので、穂の先端で直接角膜上皮細胞層や角膜実質を突き破ります。穂の先端には無数の細菌などの病原体が付着しているため、これが角膜内部(時に眼球内部まで)に容易に到達します。角膜実質に細菌がはいると、涙の殺菌力や角膜上皮の防壁機能も働きません。これは角膜実質には基本的に栄養血管がないため、病原体からの攻撃に対して身を守る白血球や血漿などの血液防御システムも働きません。そのため病原体を無力化する治療を行わなければ角膜感染を起こし角膜は濁ってしまいます。最近では、「庭の手入れをしていたら植えている植物の葉で目が切れた」などの訴えが増えています。


 ②角膜の擦り傷(急性の場合) 角膜表面または眼球の結膜とまぶたの結膜の間に小さなゴミ・土、花粉、抜けたまつげなどが入るとそれが角膜に傷を付けます。痛みが刺激となって大量の涙が出るためほとんどは洗浄されますが、痛みが続くと異物を取ろうと更に角膜を擦り返って傷を悪化させる「痛みの悪循環」に陥ります。「目にゴミが入って取れない」と涙で目を腫らして来院する人の多くはこの「痛みの悪循環」で角膜に広範囲の傷ができた人です。一方では上まぶたの裏側にゴミが入って角膜を傷つけていることがあり、これは自分では取れません。自作自演による角膜上皮自損を避け、自分で取れない異物の除去には、目を擦らずに眼科を受診するのが賢明な策です。


プラセンタ

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