2014年09月05日号

新興感染症


 このところ毎日のように新聞紙上を賑わしているエボラ出血熱、致死率が9割以上、全世界的な大流行の危険性などと報道され、人々の恐怖心をかき立てている。エボラ出血熱は今から40年ほど前に中央・西アフリカでの流行が報告された風土病の一種である。


 現在までの研究では、コウモリが媒介主となり、それを食した人間や類人猿が発病し、高熱や脱水、出血などで死亡…その汚染物質に接触することで感染が広がる。しかし空気感染する確実な証拠はない。致死率についても、感染地域での衛生観念や医療器材の不足が過大評価の原因と思われる。現在、免疫療法やウイルス増殖抑制剤などが開発されつつある。


 世界保健機構は1990年に「かつては知られていなかった、この20年間に新しく認識された感染症で、局地的に、あるいは国際的に公衆衛生上の問題となる感染症」という定義で『新興感染症』という概念を提唱した。こうした感染症にはエイズ、エボラ出血熱、ラッサ熱、重症急性呼吸器感染症(SARS)など20種ほどがあるそうだ。以前は特定の地域のみに発生していた感染症が、人的・物的交流の拡大により、世界的な規模で広がる危険性があるからだ。


 中国雲南地方の豚とアヒルの間で感染を繰り返して変異し、渡り鳥を媒介として全世界にばら撒き、空気感染で大流行するインフルエンザは恒例行事と思っているが、過去の歴史をたどってみると、何度か人類を危機的状況に陥れたこともあるようだ。しかしながら、2002年に中国で初めて発生し、サーズ(SARS)と呼ばれ、致死率も高かった呼吸器感染症も迅速な疫学的な対応、原因ウイルスの遺伝子解と医学的対応策で大事に至らなかった経験がある。いま話題になっているエボラ出血熱やこれから出現する可能性のある新興感染症に対しても、私たち人類は最適な対応を学ばなければならない。


クッキングトイ

トラックバックURL:

« 植物の喜び | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート