2014年10月03日号

義歯安定剤のお話


 今回は義歯安定剤のお話です。少し以前まで、歯科医師は良い入れ歯を作りさえすれば入れ歯安定剤は必要ないと思い、その使用を禁止してきました。しかし近年、欧米を中心に、入れ歯安定剤の科学的な見直しが進み、クリームタイプの入れ歯安定剤の使用は合理的で効果的であるといわれてきています。歯科医師の管理下で適切に用いられれば入れ歯の維持安定、機能および患者さんの満足度を向上させる材料だとの認識がなされるようになってきました。


 安定剤にはクリームタイプとクッションタイプの2種類がありますが、安易に使ってはいけないのがクッションタイプです。べたつかず取り扱いが容易で入れ歯による疼痛が緩和される、などの理由で一般に好まれる製品ですが、合わない入れ歯に使用している人が多いので、本人は具合がいいと思っていても、部分的に強い圧力が加わり急な顎の骨の吸収が起きるといわれています。クッションタイプに関しては、日本補綴(ほてつ)歯科学会では、為害作用が大きい場合が多いため推奨できないとの見解を示しています。


 アメリカでは、75%の歯科医師が入れ歯安定剤の使用を患者に勧めているとの報告もありますが、あくまでもクリームタイプに限られています。クリームタイプはクッションタイプより、粘着力が悪いと言って使わない人が多いのですが、使い方を間違えている人が多いようです。注意すべき事その①は、少量を付けたら決して指で広げずに、食事をとるまでに30分広がるのを待つことです。その②は、使用していて適合が以前よりも悪いと感じるようになったら、その時は入れ歯の調整や修理の必要がある時期だということを認識する事です。


 安定剤は適合のよい入れ歯に対して、より快適に使用するために使うものです。決して、合わない入れ歯に使用するものではありません。入れ歯の定期検診とともに、上手に利用すれば、きっとよりおいしい食事ができますよ。


 森林公園歯科医院 原田江里子医師


 森林公園歯科医院/厚別区厚別北2条5丁目1―12【TEL】891―2022。


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