2014年10月31日号

においのお話


 野生動物は人間より遙かに敏感な嗅覚を持つものが多く、犬や猫は人の数万から数十万倍の力を持つそうです。敵から逃げる時、獲物を探す時に重要な能力であり、生死にかかわると言えましょう。人ではどうでしょうか。においが判らなくてもとりあえず生活に大きな支障はなさそうですが、ガス漏れ、食物の腐敗臭などの異臭をかぎ分ける事は危険を察知するのに役立つ事があります。また、アロマセラピーなど安らぎを感じたり、食物の匂いで食欲をそそったり、良い香りは生活を豊かにする事もあります。昔、子供が嫌いな物を食べる時に鼻をつまんで飲み込む、という事をしたように思いますが、においがしないと食物の味も余り感じなくなります。味がわからないと来院される方の多くに、においも弱くなっている方が隠れています。


 普段あまり意識してないためか、においが弱くなっても気付いていない人は多いようです。他人に指摘されて初めて自覚する事もあり、いつからにおわなくなったのか覚えていない方も多々おられます。原因として多いのは、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など、鼻に炎症を起こす病気です。鼻と脳の境界の辺り(鼻の中の天井)ににおいの神経はありますが、そこに炎症が及んだ場合や、空気がそこまで流れなくなった場合に、においが弱くなります。この場合、原因となる病気を治療すればにおいも回復する事が多いですが、長期間放置されていた場合は、治療しても完全には回復しなくなる事があります。早めに治しておきましょう。時に交通事故など頭を強く打ってから、においがしなくなる事があります。この場合は脳が揺さぶられてにおいの神経が切れてしまっている事があり、回復しない事が多くなります。


 くろだ耳鼻咽喉科クリニック 黒田 努 院長


 くろだ耳鼻咽喉科クリニック/江別市大麻中町2―1【TEL】387―8000。


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