2014年11月07日号

H氏の死を悼んで!


 今年9月末にH氏が66歳の若さで生涯を閉じた。彼の初診は平成20年1月、高熱と咳・痰を訴え、胸部レントゲンで右下肺の急性肺炎と診断、1週間ほどで全治した。同年代で同じ医薬関係の仕事に従事していたので親しみを覚えていた。平成24年12月に心窩部不快感と嚥下時のしみる感じを訴えて受診。上部消化管内視鏡検査で歯列から30センチの部位にほぼ全周を占める腫瘍性病変が見つかった。


 すぐに食道癌治療では有名な病院を紹介し、ステージⅡとの診断で手術。術後1ヶ月半で退院したが、病理検査でリンパ節への転移が認められ、平成25年4月から抗癌剤治療。同年9月に嚥下時に胸のつかえと食欲不振を訴えて来院、食道再建術を受けた人に出現する症状で機械的に食道拡張をすれば良くなると元気づけた。このとき「自分はフラメンコの大ファンでスペイン旅行をしてみたい」と。


 『ツーリスト』というアンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップが共演のベネチアを舞台とする映画がある。H氏が今年3月にB型インフルエンザに罹患した際に、ベネチア旅行を計画している私のためにDVDを持参してくれた。彼の訃報を知り、再度鑑賞してみたが、彼が「ベネチアにも一度行ってみたい」と言っていたことが思い出される。


 今年5月上旬、「先月から右肩甲骨の部分に針を刺されるような痛みが出現」と訴え、食道癌の胸膜転移を疑った。彼にそのことを告げ、モルヒネなど癌性疼痛に有効な薬剤の使用やホスピス・ケアの利用なども勧めたが、彼の意思は「最後まで闘う」だった。彼の訃報を知った後、奥様から終焉の様子を伺った。疼痛に耐え切れなくなるまで闘いを続け、残された1週間を緩和ケアに費やしたそうだ。凄絶な闘いを続けた彼を弔うため、彼から勧められていた東京にあるフラメンコのお店=エル・フラメンコを訪れてみたいと考えている!


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