2014年11月14日号

目が突然充血した


 朝夕の冷え込みが身にしみる時期になりました。今回は、気温の上下が激しく乾燥するこの時期に多い「球結膜下出血」を取り上げます。


 「チクーと目に痛みを感じた後でゴロゴロする」、「家族から眼が赤いと言われた」というのが始まりです。鏡を覗くと黒目の周りが赤い斑点で覆われており、「見かけは悪いし」、「眼底出血など悪い病気の前触れか」などと心配になり眼科を訪れる患者さんが大半です。出血した後も特に視力低下が起こるわけではなく、視野の中に暗点が出現したり、文字が歪んで見えるといったこともありません。


 出血は白目(眼球結膜)の血管が切れたのが原因で、小さな斑点状の出血から、黒目の周りの大部分を覆うような広範囲なものまでさまざまですが、目に重大な障害を及ぼす病気が合併することはまずありません。1~2週間もすれば後遺症を残すことなく治りますが、再発することもあります。通常は出血吸収を促進し、目のゴロゴロ感や違和感を取り除くために点眼治療を行います。出血の誘因となる全身的な背景には糖尿病、貧血などの血液病、心筋梗塞や脳梗塞予防の抗凝固療法などがあります。


 また眼球側の背景としては、アレルギー結膜炎やドライアイなどが考えられています。最近は結膜弛緩症という加齢に伴う球結膜のしわ(結膜と眼球の接着が悪くなり結膜がたるんだ状態)が、この出血の原因の1つとして注目されています。鏡で目を観察すると、下方の黒目(角膜)部分で下まぶたとの境目部に少しぶよぶよした膜、これが結膜のしわ、すなわち結膜弛緩症です。この結膜のしわがまばたきの度に刺激され出血を起こすと考えられ、結膜を眼球に癒着させる「しわ取り手術」が行われます。


 しかし、寒暖の差と乾燥が激しいこの季節には、結膜の状態に関わらず出血が多発するのも事実で、この場合は結膜のしわとは少し事情が異なる出血の可能性があります。いずれにしても慌てる必要はありません。


クロックス

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