2014年11月21日号

医師法第20条のこと


 各地から初雪のニュースが入ってくる。この季節になると、発熱や咽頭痛、鼻汁や鼻づまりなど風邪症状を訴えたり、喘息が急に悪化してゼイゼイと咳・痰が増えてきたと訴えたりして受診する患者さんが訪れる。加えてインフルエンザの予防接種も始まる時期だから、混雑に一層拍車がかかる。


 今年度から肺炎球菌ワクチンが65歳から5年刻みで公的助成を受ける制度が始まり、大々的に宣伝されている。この制度やワクチンの効果は少々複雑で説明にも時間を要する。これに定期受診で訪れる患者さんが加わるものだから、狭い待合室が満席になってしまう。だからといって受診者への説明を省略するわけにはいかず、待ち時間は長くなってしまう。「忙しいし、風邪をうつされるのも嫌だから『薬だけ処方して』と言っているのよ!」との声が診察室まで聞こえてきた。


 医師の医療行為は医師法という法律で定められ、その第20条は「医師は、自ら診察をしないで…処方せんを交付し…てはならない」と。この禁止事項の例外として第22条には、疼痛・麻痺などで動けない場合、看護や介護に直接タッチしている人に状態を聞いて処方箋を発行できるという内容が書かれている。本人が受付で「処方箋のみ欲しい」という希望は例外事項に該当しない。


 大声で「薬だけ!」と叫び、受付がその要求を認めたら、長い時間待っている人たちは何と思うのか考えたことがあるのだろうか。当の本人は怒って出て行ったそうだ。私たちが暮らす社会では法律の禁止規定があっても、慣習的に目を瞑って認められる行為がある。その場合でも「胸をはって」とか「大手を振って」とか、「高い目線から」という高圧的な態度ではなく、控えめに「今日は急いでいるので…」などと小声で受付で言ってくれると、気を利かして受付や看護師が診察順番の番号札を少し入れ替えてくれるのに…と思うのだが!


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