2014年11月28日号

胃がんは予防できる感染症になる


 2013年2月に、ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)感染胃炎に対する除菌の保険適用が認められました。ピロリ菌除菌は胃がん発生を抑えるうえで大きな役割が期待されています。


 除菌により、胃がんの発生を約3分の1に抑制できるとの臨床結果が発表されていますが、残念ながら、発生リスクが「ゼロ」になるわけではありません。


 ただし、50歳代までに除菌した場合、定期的な経過観察が必要とはいえ再感染する率は極めて低いので、進行がんの発症が多くなる中高年層になる前に除菌しておくことをおすすめします。


 ピロリ菌の感染は乳幼児期に起こることが多く、口から入れば感染することは間違いないようです。大部分は飲み水や食べ物を通じて、人の口から体内に入ると考えられています。かつては不衛生な飲料水や食料品などが感染源として考えられていましたが、上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。また、夫婦間や恋人間でのキス、またコップの回し飲みなどの日常生活ではピロリ菌は感染しないと考えられています。


 ピロリ菌は、ほとんどが5歳以下の幼児期に感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。


 がんは「死にいたる病」というイメージがありましたが、胃がんは早期発見できれば、「完治できる病」と捉えられるようになりました。ピロリ菌除菌が保険適用になったことで、胃がんは「感染症の一種」と捉えられ、「予防できる病」に変わっていくと思います。


 大麻内視鏡内科クリニック 三浦 淳彦 院長

 大麻内視鏡クリニック/江別市大麻東町31―1【TEL】386―3366。


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