2015年01月01日号

眼底検査はOCTの仕事?


 明けましておめでとうございます。羊年を迎えるにあたり、今年も皆様の健勝で安らかな日々が続くことを、心よりお祈りいたします。


 この欄では目の健康を維持するために有益な最新の医学情報や、日頃から知っておくと便利なまめ知識など幅広く取り上げ、少しでも皆様のお役に立ちたいと考えています。今年もよろしくお願い申し上げます。


 さて昨年来、日常の診療に大きな影響を与えているのは光干渉断層計(OCT)です。この装置は、網膜、視神経および硝子体の診断に大きな成果をあげています。そこでこの診断装置の素晴らしい機能についていくつか紹介いたします。


 網膜は僅か0・3mm程度の薄い膜で、9層の神経層と1層の色素上皮層で構成されています。肉眼による眼底検査では、網膜色素上皮層以外の網膜は透明な薄い膜として認識できますが、内部構造は観察できません。どうしても知りたければ、眼球を取り出し組織検査をする必要があります。こんなことを日常の診療で行うのは不可能な話です。OCTは網膜の平面的な形状のみならず、顕微鏡レベルで網膜組織の断面像やその厚さを、生きたままの状態で観察できます。また硝子体が網膜に癒着している状態や、網膜からの神経線維が集まる視神経乳頭の立体的形状も観察できます。


 OCT検査を行うことにより、これまで闇の中に隠れていた視力不良の原因が、①硝子体が網膜を牽引して起こる黄斑円孔や網膜上膜であったり、②糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などに伴う黄斑浮腫が関わっていたり、③加齢黄斑変性を起こす新生血管の存在などが、明らかにされました。また視神経乳頭やその周囲にある網膜神経繊維の分析により、④視野障害が現れる以前の緑内障(極早期緑内障)も診断できるようになりました。


 OCTは今年も網膜・視神経・硝子体疾患の早期診断・早期治療の担い手として大きな役割を果たすものと思われます。


イクラ

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