2015年02月06日号

COPD=慢性閉塞性肺疾患


 昨年2月に咳と痰、息切れと動悸を訴えて初診したAさん…今年3月で83歳になる。胸のレントゲンで横隔膜と胸郭の作る角度が鈍角となり、肺内の空気量が増えて黒い色調が増している。典型的な肺気腫の所見だ。肺機能検査を実施すると、肺活量は年齢や性別、身長からの推定値の67%まで低下、大きく息を吸い込んでから1秒間に一気に吐き出す一秒量は推定値の54%まで低下している。


 検査データからCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断し、Aさんに喫煙歴を尋ねた。「最近は1日に1箱ほどだが、若い頃はケツから煙が出るほど吸っていた」と。「その喫煙が原因ですね」と言うと「やっぱりそうですか…」と。以前、このコラムの記事を読んで「慢性閉塞性肺疾患ではないかと思っていた」とも。


 慢性閉塞性肺疾患…初期は無症状だが、最初に出現する症状は体動時の息切れ、同年代の人と一緒に行動しても、最初に息切れすることで気づく。咳や痰も見られ、冬にかけて症状が悪化し、風邪を引きやすい。進行すると風邪が長引いて肺炎や気管支炎などに重症化する。原因は喫煙と大気汚染、2005年の厚労省の統計で我が国死亡原因の10位を占めるが、喫煙率低下や大気汚染対策の効果で将来的には低下すると思われる。


 治療の第1ステップは禁煙、第2ステップは長時間作用型の気管支拡張剤吸+少量ステロイド吸入、上記の治療でも日常生活に支障をきたす場合は在宅酸素療法が選択される。Aさんには「酸素ボンベを引いて歩きたくなければ、禁煙すること」と話し、長時間作用型気管支拡張剤のβ刺激薬吸入、マクロライド抗生薬、去痰薬服用などを処方し、症状が軽減したところで吸入のみとした。数日前に来院したAさん「禁煙を続け、吸入もしたおかげで、除雪もバッチリ、去年までは想像もつかない」と。息切れを単純に「年齢のせい」と思ってはいませんか?


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