2015年05月22日号

「がん」の予防はどこまで可能?


 わが国の死亡原因統計を見ると、最近では悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順。このうち悪性新生物と肺炎は増加傾向が見られるのだが、肺炎に関しては、肺炎球菌ワクチン接種の高齢者への助成制度がスタートしたことで、頭打ちの傾向が出てくると思われる。残された悪性新生物とは、『癌』に代表される悪性腫瘍である。


 一昔前は不治の病と言われた『癌』だが、早期発見や新しい治療法で治癒率や延命率が向上し、いかにも難治性疾患を連想する『癌』から、いくぶん軽い印象をあたえる「がん」と表記されることが多くなった。胃がんや大腸がん、肺がんなどは早期発見により内視鏡手術で完治するようになり、白血病や悪性リンパ腫なども抗がん剤治療で完治する例も増えている。


 予防には一次予防と二次予防がある。一次予防とは、がん細胞の発生を原因から防ぐもので、喫煙や感染、アルコールなど生活習慣の改善や予防接種などが効果を発するが、限界も知られている。二次予防とは、がん細胞を早期発見して対処をする方策で、定期健診や早期受診などが該当する。「がん」の場合、肺がんの禁煙、胃がんのピロリ菌除菌療法や子宮頸がんワクチン接種で一次予防可能なものもあるが、その他の「がん」は二次予防の早期発見が大切だ。


 「がん」は遺伝子変異が原因で発生する。遺伝子と言うが、親から子へと伝わる遺伝ではなく、日々細胞分裂を繰り返す細胞の遺伝子突然変異で発生するのが「がん」である。突然変異は加齢に伴って頻度が増してくる。だから、禁煙や節酒など《いわゆる》生活習慣の改善で完全に予防することには限界がある。禁煙、ピロリ菌の除菌、子宮頸がんワクチン接種などの一次予防はもちろんだが、早期発見、早期治療が必須である。より詳しくは、大学同期の北大特任教授浅香正博先生の『がんはどこまで防げるのか』(三省堂書店)をお薦めしたい!


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