2015年06月05日号

春から夏へ


 雪解けが早かったのは良かったけど、変に春が早まって、桜も梅も野山の花々も、さっさと咲いて盛りを過ぎてしまったから、何だか肩透かしをくったような味気なさを感じていた。いつもの年なら、5月下旬はまだ生命の賛歌を謳歌(おうか)する百花繚乱の季節だったような気がする。


 最高気温が20度を超えた5月18日、「セミが鳴きましたよ」と、野幌森林公園にある開拓の村のスタッフが教えてくれた。去年より10日近く早いエゾハルゼミの蝉しぐれが森を潤(うるお)したという。散歩人が大麻の鉄道林などでエゾハルゼミが鳴くのを初聞きしたのは27日で、去年は31日だったからやはり5日ほど早い。5月25日からの最終週は、20度を超す日が続いて、29日には一気に最高気温29・6度の夏日(最高気温25度以上になると「夏日」、30度以上の日は「真夏日」)になった。お年寄りや体が弱い人なんかはこの気温になるとさすがにつらそうで、町に出歩く人の数も心なしか少なめに見えた。気温が上がっても風が強くて、初夏の日差しを楽しむような気分でもなかったけど…。


 それでもまあ、春から夏へと巡るこの季節は気持ちがいい。やはり今年はいつもの年より早く、森にはセミしぐれが満ちて、水辺ではカエルが合唱して、小鳥たちがそこここにさえずって、うぐいすが鳴いて、豆まきの頃合いだと教えるカッコウの声がはるかに風に乗って、もう夏の空が広がっている。夜には、野で一番遅くに鳴き始める夏鳥といわれるエゾセンニュウの「ジョッピンかけたか」の大きな声のさえずりも聞こえ出した。


 緑の葉の中にぽつぽつと白の水玉模様を散らしたようにナナカマドの花が咲いている。ポプラの綿毛も飛び始めた。例年より早めの田植えも進んで、青々とした水田が広がっている。もう少しすればニセアカシア(ハリエンジュ)の白い房花も一気に満開になるだろう▼強い風がやんだ時、空から「ピーショロロー」と鳴く声がした。見上げたらトンビが1羽、大きな輪を描いている。何だか急に気持ちがなごんで、夏が来たんだなぁと思った…。


タートルネックカットソー

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