2015年07月24日号

なかったはずの“悲劇”


 生活に困窮し、家賃滞納で千葉県銚子市の県営住宅から強制退去を迫られていた母子家庭の母親(44歳)が、明け渡し期日の昨年9月24日に中学生の1人娘(13歳)を殺害した事件で、千葉地裁は6月12日、母親に懲役7年を言い渡した。


 報道などによると、母親が月1万2800円の家賃を滞納、千葉県が訴訟を起こし、立ち退き期限だった当日の午前11時10分ごろ、地裁の執行官らが鍵を開けて入ったところ、布団の上でうつぶせになった長女・可純(かすみ)さんの遺体を見つけた。「(母親は)放心状態で座り込み、可純さんの頭をなでながら4日前に撮ったビデオを見ていた。体育祭で赤い鉢巻をして走る娘の姿が映し出されていた。『これは私の子。この鉢巻きで首を絞めちゃった。ビデオを見終わったら自分も死ぬ』と話したという。」(6月12日・毎日新聞)。


 母親は数百万円の借金のあった夫と離婚し、可純さんと2人暮らしだった。その返済や生活のため、自分名義でも消費者金融から金を借り、さらに可純さんの中学入学時にも、制服や体操着を用意するためにヤミ金融にも手を出し、返済に追われていた。実家の土地を無断で元夫の借金の担保に入れたため、両親とは絶縁状態だったという。離婚後、学校給食のパートをしていたが、月4~8万円のパート代と児童扶養手当などを合わせても年収は約100万円。


 “ヤミ金”に手を出す直前、母親は銚子市役所の生活保護の窓口を訪れたが、仕事をしているなどと断られ、国民健康保険料の滞納で保険証も取り上げられていたため、短期保険証発行の相談に再び市役所を訪れ、担当職員に生活保護をすすめられて窓口に回ったが、面接した職員は生活の困窮を把握していたのに、生活保護のしおりを手渡し説明しただけだった。


 実は公営住宅には家賃減免制度がある。母親の収入状態だと80%減額され月2560円になったはずにもかかわらず、県側はそれも伝えていなかったとされる。減額されれば滞納家賃はなくなり、この“悲劇”も起こらなかった可能性が高い…。


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