2015年08月07日号

レビー小体型認知症


 先月上旬に東京で開催された認知症関連のシンポジウムに出席した。主テーマはレビー小体型認知症。脳細胞の中にレビー小体と呼ばれるαシヌクレインという物質が沈着する病気である。1976年に小坂憲司がパーキンソン病様の運動障害、幻覚(幻視が多い)、REM睡眠期の異常行動(ねぼけ)などで発症し、徐々に認知機能低下が進行する病気として初報告した。以前からドネペジルという抗認知症薬が有効なことが知られていた。


 今回のシンポジウムで注目したのは、認知症患者自身が作る団体の共同代表を務める元看護師で10年ほど前にレビー小体病と診断されたD女史が自分の体験を語ってくれたこと。印象的だったのは、幻視は非常に鮮明で「とても幻視とは思われない」とのこと。


 レビー小体型認知症は、アルツハイマー病や脳血管性認知症と並んで3大認知症と言われてきた。だが、近年の最新診断装置を用いた研究で、発病初期にはパーキンソン病と診断され、認知機能低下が進行するとアルツハイマー病と診断されている症例が多いことが明らかになった。早期にドネペジル高容量を使用することで認知機能低下を抑制できるとのこと。自分の経験でも、MCIと呼ばれる認知症と正常のグレーゾーンの時期にドネペジルを服用し始め、10年以上も大きな生活障害を起こしていないYさん。アルツハイマー病と診断してドネペジル服用を開始した途端に夜間の徘徊や睡眠時の異常行動、パーキンソン徴候が消失したSさん。いずれもレビー小体型認知症の可能性が高いと思われる。


 グループホームに入居しているSさんは、大のファイターズ・ファン、今日の往診時にファイターズ4連勝で上機嫌、「今日も勝つよ!」と息巻いていたが、ネットで見ると残念な結果。明後日の往診の際の彼女への慰めの言葉を探したが、喜怒哀楽を上手く表現できるのは経過良好の証拠!


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