2015年09月11日号

横紋筋融解症


 Gさんは37歳の男性、健康診断で悪玉(LDL)コレステロールが高いと指摘され、再検査を希望して初診した。再検査の値は223mg/dlで基準値である79~139を大きく超えていた。父親や母親も高コレステロール血症で薬を服用、父親は健在だが6兄弟姉妹のうち3人が心筋梗塞、1人が脳梗塞の既往がある。母親は3人姉妹でいずれも高コレステロール血症で治療中、心筋梗塞や脳梗塞の既往はない。


 Gさんの年齢を考えて薬物治療を躊躇したが、家族歴の高リスクを考慮してスタチンと呼ばれる薬剤の服用を開始した。3ヶ月後には悪玉コレステロールが156まで低下し、6ヶ月後には112となった。薬物治療は有効と判断して同じ薬剤を継続して処方した。異変が起きたのは、その1ヶ月後、Gさんは何とも言えない身体の違和感を覚え、徐々に筋肉痛や倦怠感が増強。休日だったため救急病院を受診した。


 血中コレステロールを下げる薬の中で最も効果的なのは日本で開発されたスタチン…肝臓で大部分が作られるコレステロールの生合成を抑制する薬剤だ。非常に強力な薬剤だが、横紋筋融解症といって筋肉を溶かす重大な副作用が報告、筋肉を溶かしたときに出現するミオグロビンという物質が高度の腎機能障害を引き起こす。早期に診断し、対処する必要がある。


 Gさんの場合、病院が適切な対応をしてくれたおかげで重篤な副作用を残すことがなかった。製薬メーカーと副作用報告をする機関に連絡した。この副作用に関して厚生労働省から委託を受けた研究機関が遺伝子レベルの研究を行っているとのこと。現在、わが国で服用されているスタチン製剤はかなりの量になると思うが、欧米人に比べて日本人の横紋筋融解症の発生頻度は低い。今まで横紋筋融解症を経験したことはなかったが、薬の副作用の貴重な経験として心に留めておこうと思った!


ジャムウ ソープ

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