2015年10月23日号

明けの明星、宵の明星


 10月半ばの朝方3時ころ、帰宅途中にふと見上げると、ひときわ明るく大きく輝く星が東の空にかかっていた。「ああ、金星だ。明けの明星だ」と、何だかうれしくなって、しばらく目を離せずに空を見上げていた。


 「明けの明星」には思い出があった。高校時代に「十里競歩」という学校の伝統行事があって、秋、真夜中12時にスタートし、十里・約40㎞を走ったり歩いて近隣の山野村落を巡るのだが、途中の村々では収穫したばかりのトウキビや枝豆、スイカ、ブドウ、ナシ、握り飯に…飲み物などを山と積んで村人たちが応援してくれるのだった。だから、リュックを背負っていく困った連中もいたのだが…。真っ暗闇の山の夜道を、気の合った者同士が三々五々歩いたり走ったりするのは、まだ元気な道半ばくらいまでは、わくわくして結構楽しいものだった。そんな時に、山の上の空に大きく光り輝いているのがあって、あれは何かとみんなして空を見た。中に物知りがいて「金星じゃないか」と教えてくれたのだが、裸電球くらいにも異様に明るく見えて、びっくりしたのを覚えている。――高校時代のあの時の金星と同じくらいに大きく輝いている明星を見ながら、そんな記憶がしみじみとよみがえった。


 同じ金星が今年の1~7月は夕方西の空に「宵の明星」となって光っていた。古来「夕星=ゆうづつ」とも呼ばれたという。小さい頃に「一番星み~つけた」と夕空を見ながら囃(はや)して歩いた思い出が懐かしくよみがえるのだが、その「一番星」も大体は一番早く光って見えるこの金星だったと思う。そしてちょっと間をおいて、9月から見え始めて来年の2月頃までは、今度は明け方東の空に「明けの明星」となって輝いている。


 少し面倒な話になるが…金星は地球と同じく太陽の周りをまわる惑星で、地球の内側をまわっているため途中で地球を追い抜いてしまう。ちょうどトラック競技で内側を走る人がコーナーで外側の人を追い抜く感じだ。その結果、金星が地球を追いかけている内は、夕方、「宵の明星」となって西の空に現れて地平線に沈んでいくが、金星が地球を抜き去った後は、今度は「明けの明星」となって夜明け前に東の空に現れるのだという。だから、明けの明星と宵の明星が同じ日に出ることはないし、目のいい人には昼間に白く見えても、夜中に見えることはない。


 昔からよほど人々を魅了してきたのだろう、金星は英語で「ビーナス」という美と愛の女神の名がつけられている。この後、「宵の明星」は来年秋の2016年9月~翌年3月まで夕空に光り、その次の「明けの明星」は2017年4月~同11月まで東の空に輝くという。


美容サプリ 福袋

トラックバックURL:

« さこうじゅう??? | TOP | 強度近視は近視が強いだけじゃない!③ »

[PR]SEO対策済みテンプレート