2015年10月23日号

強度近視は近視が強いだけじゃない!③


 強度近視は眼軸長(角膜頂点から黄斑部中心までの前後径)が長くなる病気で、角膜や水晶体の屈折異常が主体の軽度近視や中等度近視とは根本的に異なります。


 ①強度近視は目が大きい…目の長さを測定すると正視はおよそ24mm、軽度近視や中等度近視は24~26mm前後ですが、強度近視では程度が軽いものでも27~28mm以上あります。眼球全体が大きくなっており、これを立体的にみると、眼球の奥の部分がポッコリと後ろに拡大した後部ブドウ腫型、ラグビーボール状に眼球全体が前後に拡大したものなど色々な形に変形しています。


 ②いつ頃から眼球が大きくなるか…局所的な眼球の拡大は幼いころから徐々に始まり20歳を過ぎても進行します。例えば小学生の低学年でも強い近視で視力矯正が必要な場合は、眼球の拡大が始まっている可能性があります。幼いころから近視が強い場合は、遺伝的傾向が考えられますので家系内に近視が強くて視力の悪い人はいないか、知っておく必要があります。


 ③眼球拡大に伴う眼球組織の変化:後部ブドウ腫に代表されるように局所的に眼膜(網膜、脈絡膜、強膜をまとめた表現)が膨張している部位、特に重要な機能が集まっている黄斑部では網膜や脈絡膜の菲薄化による影響が顕著に見られます。第1は黄斑部網膜が機械的に伸展されたことによる神経組織の構造的変化、第2は網膜の栄養を担う脈絡膜の伸展による循環障害です。これらの変化が起こっても直ちに黄斑部障害を起こすわけではありませんが、経年的な網膜菲薄化の進行や加齢変化が加わることにより黄斑部に徐々に障害が現れます。網膜の中心部に穴があく黄斑円孔、黄斑部への脈絡膜からの出血、網膜が分層化する網膜分離症、脈絡膜血管の閉塞による網膜脈絡膜萎縮などいずれも視力に重大な障害を及ぼします。視力が矯正できない、歪んで見える、中心部が見えないなどの異常を自覚したら精密検査が必要です。


加藤ミリヤ CD

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