2015年11月27日号

小春のころ


 1年間の季節の移り変わりを24の節目に分けたのを二十四節気(にじゅうしせっき)といい、それで見ると今年は11月7日に冬が始まる「立冬(りっとう)」を迎え、11月23日には「小雪(しょうせつ)」の季節に入っている。「小雪」は“こゆき”とつい呼びたくなってしまうような愛らしい感じがある。「寒くなって、雨が雪になるころ。山々には遠く雪の白が眺められ、里にも冬将軍の気配が…」と本紙でも以前解説していて、冬本番を迎える前の、やさしく和らいだ季節の印象がある。


 11月下旬のこのころは、旧暦の10月半ばに当たる。旧暦10月には「神無月(かんなづき)」という異称があるが、「小春」という呼び方などもあるそうだ。辞書には、暖かで春に似ているから…と出ているが、立冬を越した冬の初めを“小春の頃”などというのは、何だかほのぼのとして可愛らしい。小春日、小春日和、小春空、小春風、海が凪(な)いでいる時の小春凪(なぎ)……言葉を聞いているだけで、あたたかい柔らかな日ざしを受けて明るく広がる風景が目に浮かぶようだ。


 朝、めっきり冷え込む頃になると、「アノラック着て手袋はいて…」と母親にうるさく言われたのを思い出す。若いスタッフに聞いたら「アノラックってなんですか?」ときょとんとされた。昭和30年代などは前にチャックの付いたナイロン製の防寒ジャンパーをそう呼んで、子供たちの防寒着の必需品だったのだが、今はほぼ死語になっている。調べたら、元来はイヌイットなどが着る毛皮製のずきん付き外着のことを言う英語だったとか。アノラックを着た子供たちは、その頃、みんな赤いほっぺたをして、白い息を吐いて、でも何だか元気いっぱいだったっけ…。


 次の二十四節気は12月7日に来る「大雪(たいせつ)」。雪が降り積もり、いよいよ冬本番を迎える…そんな季節に入る。


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