2015年12月11日号

月と冬と南瓜


 12月4日深夜、1時過ぎに表に出たら昇り始めた半月が東の空に大きくかかっている。弓に見立てれば弓弦(ゆみづる=張った糸)が上に、半円のまるい方が下になって、舟のような形をして夜空に浮かんでいる。この日、旧暦でいえば10月23日の夜に当たり、二十三夜の月になる。半月の左端を上にして少し傾いて見えるこの時間の月の姿は、何とも神々しくロマンチックだ。昔の人がこの夜の月を大切にして、特に中秋の頃の二十三夜月を広く信仰の対象にしたというのもわかる気がする。


 昇り始めた月の上の方に、まるで月を導(みちび)く案内人かのように星が1つ、明るく静かに光っている。キラキラと瞬(またた)くのは自らが燃えている例えば太陽のような恒星(こうせい)で、瞬かずに静かに光っているのは水星や金星や火星、木星といった太陽の周りを回ってその光を反射している惑星だと、子供の頃誰かに聞いたことがあるが、後で調べてみたらその星は木星だと知った。今年のこの時期は月が昇った後に、月を追いかけるようにして火星が、続いてひときわ大きく明るく「明けの明星」となっている金星が、夜明け前の空に上がってくるのだそうだ。夜更けの寒気は肌を突き刺すようだが、それにしても秋から冬の夜空はさえざえとして、月も星も清らかで美しい。


 1年を24に分けて季節の移り変わりをあらわした二十四節気の「大雪(たいせつ)」(今年は12月7日)を過ぎて、いよいよ冬本番。そして、12月22日には「冬至(とうじ)」を迎える。一年で昼が1番短い日で、だから夜が1番長い日ともいえる。冬至は太陽の昇る高さが一年で最も低くなり、日没も早い。逆に、昼が一番長いのが夏至(げし)だが、冬至と夏至の昼の長さは5時間くらい違いがあるのだそうだ。


 滋養にいいと、冬至にカボチャを食べる習わしが各地で昔から伝わっている。小さい頃、秋田の田舎では冬至の日になると、秋に採って種を取り軒先で保存しておいたカボチャを、小豆ともち米と一緒に煮たおじやのようにしたのを食べた(「ふぐら」と呼んでいた)。北海道に来たらカボチャと小豆のお汁粉がよく出る。カボチャにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄分などがバランスよく含まれていて、風邪の予防や冷え症、がんや動脈硬化の予防など多くの栄養効果があるという。


 カボチャを食べて冬を乗り切る体力を養い、春を待つ。冬至を過ぎれば、また日が少しずつ伸びて、季節は春に向かう。


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