2015年12月18日号

強度近視は近視が強いだけじゃない!④


 強度近視は眼軸が延長することでマイナス度数が多くなる(8・25D以上)近視です。眼球自体も拡大します。この眼球拡大の一つの形として眼底中心の黄斑部(ものを見る中心)に後部ブドウ腫(眼球の後ろの部分だけが膨れる)が好発し、黄斑部の網膜や脈絡膜にいろいろな障害が起こります。今回はそのうち黄斑部出血についてお話しします。


 近視性黄斑部出血は突然の視力低下、文字の歪み、暗点(斑点状の薄暗い部分)などの症状で発症します。この出血は、網膜に栄養を与えている脈絡膜毛細血管の断裂による①単純型脈絡膜出血と、②脈絡膜新生血管を伴う出血があり、治療法や最終的な視力の予後が異なります。


 ①単純型脈絡膜出血…20~30歳の比較的若い年齢層の強度近視眼に多く、前触れもなしに起こります。目を上下左右に動かしても、常に目の動きに合わせ視野の同じ位置に斑点状の暗い部分(比較暗点)がついて回るのが典型的です。視力の低下は比較的軽度です。出血はどうやら網膜と脈絡膜を固定しているブルッフ膜の断裂に伴うもので、眼球の拡大を示す兆候と推測されています。出血は特に治療をしなくても数週間で吸収され、それに伴い暗点も軽減します。視力は軽度の低下を残すことがあります。その後経過を見ていると出血が吸収された部位にひび割れ病変(lacquer crack lesion)が形成されたり、悪化することがあります。


 ②脈絡膜新生血管を伴う黄斑出血…この出血は50~60歳に多く、歪み、視力低下および中心暗点を訴えて眼科を受診します。黄斑部に進入した脈絡膜新生血管が黄斑部出血を起こすという点では加齢黄斑変性と同じです。今までは適切な治療がなく、最終的に中心部の網脈絡膜萎縮を起こすため、高度の視力低下と中心暗点を来す厄介な眼底出血でした。しかし最近は硝子体注射(抗VEGF療法)により新生血管を退縮させることが出来るようになり、視力予後が大幅に改善しました。


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