2016年01月01日号

気づき


 そのことに気がついたのは、もう20年以上も前になるだろうか…。


 営業の仕事の重圧なのか身も心も疲れ果てた感じで、朝は全身に脂汗が出て体が動かず起きるにも起き上がれない、仕事に出ても営業先の玄関で中に入るその足が動かない、人に会うのが怖い…そんな日々が続いていた。営業に回っても断られることが多いから、あっちへ行っても多分ダメ、こっちへ行ってもおそらくダメ、と頭の中であれこれ考えるだけで、ため息だけが増えていく。そんなある時、車を運転しながらなぜか突然、オレは何をやっているんだ、という思いに駆られた。頭の中でくよくよ考えてたって何になるんだろう、結局自分がつらい思いをしたりキズ付くのを恐れているだけじゃないか、当たって砕(くだ)けろだ、考えるのは後回しにしてとにかく動けるだけ動いてみよう、動いてみないと答えは出ない、答えを出してすっきりした方がなんぼかいい……そう思いきわめた。まず実際に動いてみる。答えが出れば次の段階へ行けばいい。そう気がついて、開き直ったともいえる。実際に動いてみると、行く先々で思いもしなかったことがいろいろ起こった。悪い答えだけではなかった。神経をすり減らした“弱気の虫”はしぼんでいった。


 「アノネ がんばんなくても いいからさ 具体的に 動くことだね」――書家で詩人の相田みつをという人にこんな有名な詩文の書があったのを後で知って、やっぱりそうだよなあ、と心底から納得したのを覚えている。相田みつをは、人生のさまざまな“気づき”を平易な話し言葉の短い詩に書いて、多くの人々に生きてゆく力と指針を与えた。「つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの」「雨の日には 雨の中を 風の日には 風の中を」……そんな言葉が抵抗もなくすうっと心の中にしみとおる。こんなのもある。「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる うばい合えば憎しみ わけ合えば安らぎ」…なるほどなあと思う。みんなこう思えれば平和になるだろうに…。


 今まで生きてきた中で「ああ、こういうことだったのか」と気づいたことが、いくつかあったような気がする。そんな“気づき”のひとつひとつを時々意識的に思い出してみるのもいいかも知れない。


 本年もまんまる新聞をどうぞよろしくお願いします。
――スタッフ一同――


セットコンポ

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