2016年01月01日号

糖尿病網膜症治療の最前線


 あけましておめでとうございます。今年も目の健康に役立つ知識を提供していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。


 さて、今年最初のテーマは糖尿病網膜症です。日本の糖尿病人口は750万といわれます。そして糖尿病網膜症(以下網膜症)は123万人に上り、網膜疾患のなかでは失明原因のトップです。自覚的には視力障害のないものや、軽度の障害で日常生活には大きな支障を来さないものもあります。しかし視覚障害が軽度でも網膜病変は粛々と進行し、やがて重篤な合併症を起こします。


 網膜症は網膜の微少な血管障害から始まりますが、失明につながる主な進行様式は2つあります。第一は、病変が徐々に網膜全体に広がっていくタイプです。最初は小さな網膜出血、毛細血管瘤(毛細血管のこぶ)、血管からの血液漏出が網膜の一部に起こります(単純型)。この時点では視覚障害は軽度で、内科的治療により網膜病変は改善します。しかし病変の進行に伴い網膜血管が閉塞し(前増殖型)、閉塞領域が拡大すると網膜新生血管が出現します(増殖型)。こうなると内科的治療に加え眼科的治療が必要になります。更に進行すると硝子体出血、牽引性網膜剥離、血管新生緑内障などの合併症により失明に至ります。第2は、網膜病変が選択的に眼底の中心に集中する「糖尿病黄斑浮腫」というタイプです。これは障害される範囲は狭くても、網膜の中心が障害されるため高度の視力障害を起こします。単純型、前増殖型、増殖型などのいずれの病型にも合併します。以前は難治性でしたが、最近になり診断技術が向上し早期治療が可能になりました。実際にはステロイドや抗VEGF剤の注射、レーザー光凝固、硝子体手術などが使われます。


 網膜症は視力障害が軽度でも、これは氷山の一角で水面下には重大な病変が隠れている可能性があります。糖尿病と診断されたら積極的に眼科を受診してください。


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