2016年02月26日号

クサイにおい?


 前号(2月19日号)の「散歩道」で思いとは違う漢字を使ってしまって、ちょっと落ち込んでいる。最終段落で「雪空が湿り気を帯びてどこかに春の臭いがし始める頃…」と書いてしまったのが、書いた本人も校正スタッフの目も素通りして「臭い」のまま印刷されてしまったのである。「臭い・臭う」は不快なにおい、嫌なにおいの意味合いが強いと辞書などにはある。快い香り、いいにおいは「匂い・匂う」を使い分ける。だいたい「臭い」は「くさい」とも読むではないか。「どこかに春のクサいがし始める頃…」とだって読める。気がついたのは印刷が終わった後。あとの祭りだ。


 春のニオイの場合は「匂い」なのかといえばそうでもない。「匂い」は例えば花の香りなどのように美しさ、優しさ、つややかさなんかが後ろにある。愛しい人は“匂う”なのだが、散歩人などの体臭は“臭う”なのである。主観的な要素が濃い。


 春のニオイにはいろいろある。溶ける雪や氷、雪の下の土や枯れ草、流れ出した水、芽吹き始めた草木…牛のニオイだったり、堆肥のニオイだったりもして、あの少し湿ったニオイは個別のものではないし、人それぞれに感じ方も違う――「臭い」でもないだろうから、ここはひらがなで「におい」にするしかないと思っていたのだが…。


 いずれにしてもお恥ずかしい話でした。お詫びの上、「におい」に訂正します…。


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