2016年03月18日号

データの怖さ


 恐ろしい世の中になってきたなと思う。広島県府中町の中学校で昨年12月に、中学3年の男子生徒が自殺した問題…。


 報道などによると、学校は、中学1年の時の別の生徒の万引き行為を、自殺した男子生徒の行為と誤って資料に記録し、この資料に基づく非行行為を理由に、担任の教諭が「志望校への推薦は認められない」などと男子生徒に伝えて進路指導を行っていたという。1年生の時に万引きをしたという、男子生徒には身に覚えのない間違った前歴がパソコンデータに保存され、担任教諭はそれを鵜呑みにして“進路指導”にあたっていた。生徒が自殺した12月8日には三者面談が予定されていたが、男子生徒は現れず自宅で死亡しているのが発見された。自殺をほのめかす書き置きが残されていたという。


 男子生徒は明るく真面目な性格で、授業態度もよく、成績も上位。友達も多かったと伝えられている。大人として教師として、成長過程にある子供たちの人間性や将来に向き合いもせず、本当に万引きをしたのかを親身になって心配したり受け止めもしないで、“冤罪(えんざい)”ともいえる誤った記録にとらわれて生徒の針路を閉ざし追い詰めていった学校。信じたのは生徒の人間性ではなく、パソコンに保存されていた無機質な記録だったという事実が悲しく、また恐ろしい。


 そしてこのようなことが、今後あらゆる場面で起こりうることは想像に難くない。あらゆる個人情報が集積される社会、誰かのほんのちょっとしたミスで、身に覚えのない“過去”がいつの間にか経歴に書き込まれているかも知れない。マイナンバー制度なるものも始まった…。


ICレコーダー サンヨー

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