2016年05月13日号

寿命のはなし


 息を1回吸って吐く間に、心臓は4回ドキンドキンと打つ。これは哺乳類ならみんなそうで、どんな動物でも一生の間に心臓は20億回打ち、一生の間に約5億回、息をスーハーと繰り返す計算になる。この回数は動物の体の大きさに関係なくほぼ同じ値になり、数年しか生きないネズミも、100年近い寿命を持つゾウも同じになる。だから、もし心臓の拍動を時計として考えるなら、まったく同じ長さだけ生きて死ぬことになる。一生を生き切った感覚は、ゾウもネズミも案外変わらないのではないか――生物学者の本川達雄博士の著書「ゾウの時間 ネズミの時間」(中公新書)で有名になった話だ。


 最近、ウニはとんでもなく長生きだったという話を聞いた。ウニの寿命は15年~30年ほどだといわれていたが、環境によって大きく異なり、場合によっては200年も生きる事がわかったのだという。しかも、100歳を超えても生殖機能は10歳のウニと、ほとんど変わらないのだとか。アメリカの研究チームが発見し話題になった。ところで、長生きの象徴になってきたカメの寿命は、小型だと20年~30年なのが、大型のカメになると100年以上も生きるそうで、ギネスの記録では188歳というカメがいたという話もある。


 でも…と思う。動物としての人間にとって、今のように長生きするだけが本当に幸せなのかどうか…。無理はしないで自然のままに、また土に返って何かに生まれ変わるのもいいではないか…。心のどこからかそんな囁(ささや)きも聞こえてくるのである。


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