2016年06月24日号

目の中に影が現れた


 目の前に突然現れた点状、線状、リング状の影、目で追うと逃げてしまいます。時には無数の斑点が視界をうっすらと被い霞んだようにみえることもあります。この正体は硝子体の濁りで飛蚊症(ひぶんしょう)と呼ばれます。


 硝子体は眼球内部の大半を占める透明なゼリー状の塊で、その構造をビルに例えると鉄骨に相当するのがコラーゲン繊維、この鉄骨に仕切られた各部屋をヒアルロン酸(水を含む)が満たしています。これにより眼球の形態を保持し眼内を通過する光の光路の役割を果たしています。


 さて飛蚊症はいろいろな原因で生じますが、ほとんどは生理的です。しかし時に眼球または身体の異常を告げる前兆になることがあります。


 飛蚊症の原因①加齢性変化…年を重ねることによる硝子体の混濁です。40歳を超えると頻度が高まりますが、近視が強いと20歳代からでも出現します。一旦生ずると自然消失はしませんが、目の機能には影響しないので経過観察します。②網膜裂孔・網膜剥離…硝子体の収縮が網膜を牽引し網膜に穴を開け(網膜裂孔)、網膜剥離を起こします。急激な飛蚊症の増加、目の中に光が走る(光視症)などの症状出現は網膜裂孔の兆候で、直ちに眼底検査が必要です。網膜裂孔にはレーザー治療を行います。網膜剥離になると視野狭窄が起こりますので、失明を避けるため手術が必要です。③硝子体出血…糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜状膜閉塞症などが原因です。病変内に存在する新生血管からの出血が硝子体へ拡散して硝子体出血となります。短時間で濃い飛蚊症が視野全体に広がり、視力低下に加え形や色すら見分けられなくなります。原因に応じた治療を行います④悪性リンパ腫…悪性腫瘍の一つで、全身症状が出現する前に目に飛蚊症を伴うブドウ膜炎の形で初発することがあります。


 このように飛蚊症はさまざまな病気を背景に起こりますので、飛蚊症を自覚したら眼科で診察を受けることをお勧めします。


 医療法人社団 はやし眼科 林 一彦 院長
 江別市大麻中町2―17メディカルビルおおあさ3F【TEL】388―1220。


カニ

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