2016年09月16日号

無関心ではいられない


 「職安窓口 非正規が9割」――北海道新聞9月5日付朝刊1面トップの記事を見て、就職先を紹介する労働行政最前線の役所でも、非正規労働者がここまで増えているのかと気が重くなった。記事によると、窓口に配置されている人も含めて道内ハローワーク職員の6割近くは非正規。窓口で働く非正規職員の年収は、税引き前で200万円前後から300万円台で、ボーナスや手当のほとんどはなく、昇給もない。「期間業務職員」という位置づけで、雇用は1年ごとに更新される不安定さ――だという。


 総務省統計局の調査によると、雇用者全体に占める“正規の職員・従業員”(2016年4~6月実数3367万人)の割合は62~63%なのに対し、“非正規の職員・従業員”(同1989万人)は3分の1を大幅に超える37~38%になる。非正規労働者の数は、2014年秋以降2000万人ラインを前後している。非正規労働者の割合を男女別で見ると、男性の場合22%(同643万人)、女性は55%(同1347万人)が非正規。若い男性なら結婚など経済的に難しいだろうし、女性の場合は、昔と違い結婚して“永久就職”という世の中ではなくなっていて、大変な思いをして生きている女性が多い現実を裏付けている。


 家族を養うどころか、我が身ひとつさえままならない社会が、いつの間にか現実になってしまっている。政治に無関心でいるうちに“いつの間にか”社会のあり様が変わって、暮らしの基盤さえ奪われてしまっていたという、社会の仕組みのもろさ、政治(後ろにある経済)の恐ろしさ…。


 2001(平成13)年4月までの森内閣と、「自民党をぶっ壊す」と言って登場した小泉内閣(2001年~2006年)は、非正規労働者が増えるきっかけになった労働法の改定や行政改革を強力に推し進めた。働き方もいろいろだ、行政改革はいいことだという大合唱の一方で、「若い人から仕事と将来を奪ったら、日本の成長などあるはずがない」「収入が低くなったら消費が増えるはずがない」とあきれた人がずいぶんいたのを覚えている。デフレがそのまま続いたのも当然だった。


 労働法改定や行政改革はどれもがアメリカの財界の意向を汲んだ米国政権や、経済団体からの要求を忠実に実現したもので、国民の暮らしを犠牲にして、米国も含めた大手企業の利益を優先したものだったといわれる。国民の暮らしや命を犠牲にする政治のあり方…それは今現在もそのまま続いているのではないか。生きてゆくためには、無関心ではいられない…。


加藤ミリヤ CD

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