2016年10月14日号

40過ぎたらOCT②


 OCT(オーシーティ)検査は、視神経や網膜などの断面をμ(ミクロン=1000分の1mm)単位で検査できる診断装置です。今回は黄斑部網膜に異常が起こった時に、OCTで何が分かるかについてお話しします。


 黄斑部は眼底の中心にあり、他の網膜に比べ高い機能を持っている特殊な部位です。たとえば、正常眼では視力は1・0以上ですが、これは黄斑機能が正常なことを示しています。それ以外の網膜では機能が正常でも1・0の視力は得られません。


 黄斑部に病変が生ずると視力低下が起こりますが、どのような障害が生じたのか検査が必要になります。従来の眼底検査では網膜表面を平面的にしか観察出来ず、10層ある網膜のどの層にどのような病変があるのか分かりませんでした。しかしOCTは、網膜の平面像のみならず断面像を観察できるため、黄斑部病変の診断精度が飛躍的に高まりました。


 OCTで明らかになった黄斑部病変をいくつか示します。


 ①黄斑浮腫 黄斑部の中心部に水(血液成分)が溜まった状態です。黄斑浮腫は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などで起こります。黄斑浮腫に対しては、抗VEGF剤の硝子体注射が行われますが、硝子体注射を行うか否かの判断および治療効果の判定にOCTが大きな役割を果たします。


 ②脈絡膜新生血管 加齢黄斑変性症や近視性脈絡膜新生血管症が代表的なもので、OCT所見は光凝固や硝子体注射などの治療に鍵となる情報を提供します。


 ③網膜硝子体界面症候群 黄斑部の周りには生理的に硝子体が癒着していますが、これが加齢に伴い網膜を牽引して網膜に皺(網膜上膜)や孔(黄斑円孔)を形成すると外科的治療が必要になります。この際OCT所見から手術をするか否かの手がかりが得られます。
 この様に黄斑部に生ずる病変を外来でも瞬時に診断することができます。見え方に何か異変を感じたら躊躇することなくOCTを受けてください。


 医療法人社団 はやし眼科 林 一彦 院長
 江別市大麻中町2―17メディカルビルおおあさ3F【TEL】388―1220。


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