2016年11月04日号

渡り鳥が教えてくれること


 広島で2連敗して帰って来たのに、札幌ドームで3連勝して一気に優勝に王手をかけた北海道日本ハムファイターズ。10月27日第5戦は西川選手のサヨナラ満塁ホームラン。劇的な幕切れに北海道中が沸(わ)いた。毎試合が中盤まで1点2点を争う緊迫した流れで、8回か9回の土壇場で試合が決まる綱渡りのような戦い。「本当に心臓に悪いヨ」と、ファンもヒヤヒヤしっ放しだった。さあ、広島…。この散歩道は29日土曜日に書いているから、今日胴上げか、明日胴上げか、もしかして…と気をもんでいるけれど、劇的な勝利をおさめた27日の朝、栗山町の自宅を出て札幌ドームに向かっていた栗山英樹監督が、V字飛行で大空を渡るハクチョウの群れに遭遇したことが話題になっている。広島での2連敗後、札幌の3連戦を前にした時も、栗山監督はハクチョウのV字飛行を見たそうで、何だか験(げん)がいい…。


 秋から初冬の北海道の空は、渡り鳥でにぎやかだ。シベリアなど北から渡ってくる冬鳥、例えばマガンやハクチョウが内陸部を経由して渡る時の、餌場となる湿地がある道央の平野部上空の飛行ルート(苫小牧の勇払原野⇔石狩平野⇔北空知平野)を「北海道中央フライウェイ」と呼ぶそうだ。南の越冬地を目指して3000km~4000kmの旅。生後2~3ヵ月の幼鳥も、その過酷な旅に出る。飛ぶ速度は、時速50kmから風に乗って70km、気流に乗れば100kmにもなるという。


 渡り鳥がV字型で飛ぶのは、羽ばたく時に斜め後ろに強い上昇気流が生じ、後ろの鳥が楽に飛べるためだといわれる。先頭の鳥は疲れると後ろに回り、後方の鳥が交代で先頭に立つ。後ろの鳥は鳴き声を上げて前の鳥を励ましながら、飛び続ける。時に、群れの1羽が病気やケガで編隊から脱落すると、複数の鳥が付き添って地上に降りる。仲間が回復するか死ぬまで付き添い、その後、違う新しい群れに加わるか、独自のグループを作って元の群れに追いつく――例えば先頭を飛ぶというつらい役割を交代で分担し合い、お互いが励まし合い、傷付いた仲間も見捨てずに見守りながら、はるかな渡りの旅を続ける…といったことなどがわかってきているという。


 単独で飛ぶよりも、助け合い、励まし合い、ゆずり合い、弱い者を見守り、力を合わせて飛んだ方が大きな力を発揮できる――野生であるはずの、渡り鳥の「生きる知恵」がそう教えている…。


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