2017年02月03日号

B型肝炎の治療


 日本人の約1%、100~150万人の方がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染しています。出産時に感染する母子感染は、1984年に開始された母子感染防止事業により激減しましたが、性交渉に伴う成人後感染が増えています。


 乳幼児期に感染して持続感染となった場合、約9割は若年期にHBe抗原陽性からHBe抗体陽性へとセロコンバージョンして非活動性キャリアとなり、ほとんどの場合病態は安定します。しかし、残りの約1割では、慢性肝炎の状態が続き、年率約2%で肝硬変へ移行し、肝臓がん、肝不全に進展することもあります。


 成人の感染では、急性肝炎後にウイルスが排除され肝炎が鎮静化するのが一般的でしたが、近年ではゲノタイプAという慢性化しやすいウイルスが増えていることもあり、慢性肝炎に移行する割合が高くなっています。


 B型慢性肝炎治療の目標は、肝硬変への進展、肝不全および肝臓がん発生の抑止です。日本肝臓学会のガイドラインでは、慢性肝炎であれば、ALT(GPT)31以上、HBV DNA4・0以上が治療対象です。肝硬変の場合はHBV DNA陽性であれば治療の対象となります。


 現在主に治療に用いられるのは、インターフェロン注射と、核酸アナログと呼ばれる内服薬です。核酸アナログは飲み薬であり治療が簡便ですが、中止するとウイルスの再増殖を来たすため、きちんと内服を継続することが必要です。


 一方、無症候性キャリアや、非活動性キャリアといった、肝機能は正常で病態が安定している方も油断はできません。B型肝炎の場合、肝機能が正常で、肝硬変に至っていない場合でも、突然肝臓がんを発症することがあります。定期的な腫瘍マーカーを含む血液検査、腹部超音波検査などで経過を見ることが重要です。


 ウイルス性肝炎を中心とした肝臓病診療は近年目覚しく進歩しています。専門医にぜひご相談ください。


 札幌藤島クリニック 藤島 知則 医師
 札幌藤島クリニック/厚別北4条4丁目1―8【TEL】801―7707。


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