2017年02月10日号

皇室という存在


 2月初め、札幌市内や江別市内の交差点という交差点にヘルメットをかぶった警察官が数人ずつ立って、いたる所で交通規制が行われていた。1月にも同じことがあったのだが、町の中に突然、警察官が立ち並ぶ光景は何だか異様で、事情も分からず不意に通行止めにされたりしたから、事情を聞いてみたら「警備訓練」だという。2月19日~26日の日程で、第8回アジア冬季競技大会が札幌と帯広で開催される。極寒の北海道であることを考慮し、皇太子様が天皇陛下の名代として来道、19日に札幌ドームで行われる開会式で開会宣言をされることになっているという。皇太子様は18日から20日まで北海道に滞在される予定で、そのための警備訓練だった。


 20年ほど前になろうか、皇太子ご夫妻が江別などに立ち寄られた時、まだ小さかった娘がその車列を見に行き、窓から手を振られるご夫妻のお姿に接して余程うれしかったのだろう、「上から読んでもマサコサマ、下から読んでもマサコサマ」などと歌うような歓声を上げながら帰ってきたことがある。一緒に行った家内も興奮した様子で、今さらながらに、人々の天皇・皇后両陛下や皇太子ご夫妻に寄せる親しみ、敬愛の深さを思い知らされる感じがした。


 「なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」……西行法師が伊勢参りをした折に詠(よ)んだという歌がある。天皇陛下が被災地を見舞いひざまづいてお話をされたり、さまざまな公務をひたむきに心を込めて務められるお姿を見るにつけ、大げさでもなく「かたじけなさに涙こぼるる」思いが込み上げてきてしまう。本当にありがたいと思うのだ。今の天皇陛下、皇太子様などに対しては、そのお人柄を慕(した)う人々が多いのではないか。


 娘や家内は皇室に対する特別の思想などを持っているわけではなく、とはいえ芸能人のように見たり、王子様お姫様的なおとぎ話に無邪気に憧れているわけでもないようだ。ただ、言論・職業選択・居住地の自由、選挙権・被選挙権などなど、さまざまな自由も基本的人権すらも制限される立場で、過酷ともいえる激務を、人々の“犠牲”になって務められている姿にむしろ思いを寄せながら、どうしようもなく敬(うやま)いと親愛の情をあつくしてしまう…話を聞いているとそんな感じだ。


 正月、東京に住む娘から、念願だった皇居の一般参賀に行ってうれしかったと、写真を添えたメールが届いた。この国の皇室という存在のかけがえのなさは理屈を超えたところにあるのかも知れない…つくづくそう思った。


sony 一眼レフ

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