2017年04月14日号

ちょっと気になる数字


 最近の話題を取り上げる医学新聞(Medical Tribune Vol.49・2016)の中に近視に関する興味深い記事がありました。「2050年までに世界人口の半数(およそ50億人)が近視になる」というのです。近視は日常生活に不便を強いることが少なくありませんが、これには軽度近視(40億人)と強度近視(10億人)があります。軽度近視は眼鏡による矯正で良好な視力が得られますが、強度近視は視力矯正だけでは解決できない視機能低下を起こします。強度近視になると眼球の前後の長さ(眼軸)が延長し黄斑部や視神経など眼球全体に大きな影響を及ぼすからです。その結果、黄斑部出血、緑内障、近視性黄斑部萎縮、網膜剥離などが起こります。


 ①なぜ世界レベルで近視人口が急増しているか 近視が急激に増加している背景には、小児の生育環境の変化、主に戸外での運動や遊びが減少したことが上げられます。この屋外活動が減少すると、周辺網膜の光曝露量が低下して近視化すると言われます。また手元のスマホやテレビゲームなどの電子機器を長時間見続ける生活スタイルも近視化に大きな影響を及ぼします。このような日常の生活習慣は、知らない間に眼球内にあるピント合わせの筋肉(毛様体筋)を緊張状態(調節緊張:昔は仮性近視といわれた)にするので近視化を促進させます。


 ②どうすれば予防出来るか (a)予防の第一は、屋外活動の時間を増やすことです。周辺網膜が光に曝される時間が増え、電子機器からも開放される一石二鳥の効果があり、しかも手間暇がかかりません。(b)完全矯正眼鏡や累進多焦点レンズ、コンタクトレンズなどによる近視予防も研究されています。(c)薬物療法…アトロピンやピレンゼピンなどは近視の進行を抑制すると言われます。一方飽和脂肪酸とコレステロールの摂取過多は眼軸延長に関連するのではという報告もあり、食事療法の糸口になるかもしれません。


 今後これらの研究が期待されます。


 医療法人社団 はやし眼科 林 一彦 院長
 江別市大麻中町2―17メディカルビルおおあさ3F【TEL】388―1220。


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