2017年04月21日号

春の森の妖精たち


 4月初めには根雪がなくなったものの、どうしたことか今年は晴れていても風が強くて、肌寒く感じる日が4月半ばまで続いた。雪が積もるほどの吹雪をともなった春嵐の13日。それが翌14日には札幌18度で、初夏のような暖かさ…ちょっと極端な天気だったりもした。


 風が和らいで、もうそろそろぽかぽか陽気になったらいいなぁ…なんて思いながら、森の春はどんな感じだろうと聞いてみたら、「エゾノリュウキンカの花も見つけたし、ウグイスの初鳴きもありましたよ。森の春は順調ですよう~」と野幌森林公園の大沢口にある自然ふれあい交流館の扇谷真知子さんの声が、電話の向こうで弾んでいた。


 雪がとけた後、木々が葉を広げるまでの芽吹きの時が、きっと森の1年で最も輝き渡る季節かもしれない。この散歩道で以前こんな紹介をしたことがあった――春の森は、木の葉にさえぎられることもなく地面まで降りそそぐ日差しを受けて、林床に根付く植物たちがこの時とばかりに花を咲かせる。根や球根に栄養を蓄えて夏までには葉を枯らしてしまう。この早春の花々を「スプリング・エフェメラル」というのだそうだ。“エフェメラル”はギリシャ語の「蜉蝣(カゲロウ)」「短命なもの」から出ていて、情緒的に「春の妖精」などと表現する人もいる。生命の喜びに満ちる春の森に妖精たちの歌が響き渡る…。


 黄色の絹の輝きでお日さまのように花開く福寿草、森の中のカタクリの花はゆかしくうつむいて、ニリンソウの清楚な白い花は、薄桃色にほんのり頬を染める乙女の佇(たたず)まい。妖艶な紫のエゾエンゴサク、神秘的に咲くエンレイソウの白と赤紫、小川のほとりに目にしみるような鮮やかな黄色で咲くエゾノリュウキンカ(ヤチブキ)、川辺の土手や野に花開く少女のような可憐さの白い花アズマイチゲ……多くは、昼に花を広げて夜に花を閉じる――。


 足もとに広がる小さな妖精たちの世界。その息づかいを感じたくて春の森に思いをはせる…。


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