2017年08月11日号

緑内障の発症前診断


 今回は緑内障について最近の話題を取り上げます。


 緑内障はゆっくり視野が狭くなっていき、治療をしなければ最終的には失明に至る難病です。その種類は、数年~数十年をかけてゆっくり視野障害が進行する正常眼圧緑内障や開放隅角緑内障、急速に発症・進行する閉塞隅角緑内障、生まれつきの先天緑内障、他の眼病に伴う続発緑内障など様々です。いずれの緑内障にも共通するのは、眼球の形態を保つため一役買っている眼圧(眼球の内圧)が緑内障の発症・進行に大きく関わることです。


 正常な視野を保つには、光を感知する網膜視細胞の情報が網膜神経線維(神経線維)を通じて大脳に正しく伝達されることが必須条件です。個々の視細胞に繋がるおよそ120万本の神経線維は、眼球の出口にあたる視神経乳頭に集まり1本の束になります。この神経線維の束は常に眼圧の負荷を受けており、過剰な眼圧により傷害を受けると萎縮してしまいます。そうなるとこの神経線維に繋がる視細胞からの情報は大脳に伝達されなくなります。限られた範囲の萎縮であれば視野に異常はみられません。しかし神経線維への眼圧の影響は恒常的なため、時間の経過に伴い萎縮は拡大やがて視野欠損(この時点で緑内障)が現れます。このように緑内障は神経線維萎縮が先行し、次いで視野異常が出現します。そして神経線維萎縮の進行に伴い視野欠損は拡大します。


 OCT(光干渉断層計)は、眼球組織を顕微鏡レベルで観察出来る器械です。視神経乳頭周囲の網膜の厚さを測定すると、神経線維萎縮部位は菲薄化(ひはくか)した網膜として観察されます。この菲薄化の存在を確かめることで将来緑内障が起こるか否かを予測出来ます。すなわち緑内障の発症前診断が可能となるのです。


 緑内障による失明から目を守るためには早期診断が極めて重要です。


 今年は10月22日(日曜日)に、北海道眼科医会主催の眼科無料検診が開催される予定です。詳細は後日お知らせします。


 医療法人社団 はやし眼科 林 一彦 院長
 江別市大麻中町2―17メディカルビルおおあさ3F【TEL】388―1220。


穴あきレギンス

トラックバックURL:

« 「自然」と外来種 | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート