2018年04月20日号

欠けているもの


 「不適切」という言葉が大はやりだ。よくもまあ“不適切”な事ばかり次から次へと起こるものだとあきれてしまう。何かあるたびに“便利”に使われるが、何だかその“軽さ”も気にかかる。確かアメリカのクリントン大統領が、執務室で女性と「不適切な関係」を持ったと告白したことから流行語になった言葉だ。当時はもっぱら男女の関係に使ったのが、行為を具体的に印象づけたくない時に、ぼやかして表現できる使い勝手の良さから、特に政界や官界で重宝されているようだ。


 「遺憾(いかん)」という言葉もよく耳にする。昔「いかんじゃないか」と叱(しか)られた、あの「イカン」。「遺憾に思う」とよく大臣なんかが使うが、でも、辞書をみたら「思い通りにいかず心残りなこと。残念。気の毒。」(広辞苑)とある。非難の気持ちも含まれるが、期待外れだ心外だと、残念がったりしている程度の言い方…。


 大臣席なんかに座っているおじさんたち、「ウソは泥棒の始まり」だよ~。それにしても「うそ」という子供じみたあからさまな言葉が、この国の一番偉い人たちが集まる国会で飛び交っている様はいったい何だろう。恥ずかしいことだから、昔は「虚偽(きょぎ)」という漢語で威厳を持たせてごまかした。


 反省の弁として多用される「慚愧(ざん・き)に堪えません」の慚愧は「恥じ入ること」の意味だが、「『慚』はみずからにはじること、『愧』は人に向かってこれをあらわすこと」(日本国語大辞典)という。自らに恥じる…そんな精神性が政治家にも官僚にも決定的に欠けている気がしてならない……。


クッキングトイ

トラックバックURL:

« 厚別から…青春の軌跡 | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート


-->