2018年07月06日号

まず人として


 官僚を語る時出てくるキーワードに「キャリア」と「ノンキャリア」という言葉がある。キャリア官僚というのは、難関とされる国家公務員「総合職」試験(以前は国家Ⅰ種試験)に合格し、幹部候補生として中央省庁に採用された国家公務員のことをいう俗称で、これに対し、「総合職」試験以外の試験で採用された公務員などを、ノンキャリアと呼ぶのだそうだ。そのキャリア官僚が、実は日本の高級官僚ポストのほとんどを独占しているという。本来、国の仕組みをつくり動かして行く、その最前線に立つトップエリート集団なのだ。


 ところが、そのキャリア官僚の志願者が減っている。6月29日放送のNHK総合「ニュースウォッチ9」によると、国家公務員「総合職」の志願者数は、昭和53年が最多の5万5972人だったのに、今年、平成30年度春には1万9609人と過去最少(合格者は約1800人)になったという。戦後、日本を支えてきたキャリア官僚を目指そうと、かつては優秀な学生が殺到したのだが、東京大学などでもその人気が低下しているんだとか。


 財務省の文書改ざん問題が明らかになった森友、加計学園問題の文科省、働き方改革関連法案の厚労省……合言葉は「忖度(そんたく)」とでもいうように、政治家にへつらって右往左往し、国会で嘘までつき、罪までかぶって矢面に立つ、理想像とは程遠い官僚の姿。そんな実態への失望感の積み重ねが志願者減少という数字に反映された面もありそうだ。


 官僚の人事権を首相官邸が握るなど、行き過ぎた“政治主導”が直接的な原因だとの指摘は多い。とはいえ、国を背負って立つ優秀な人々だ。やっていいことと悪いことくらいわかっているはず。まず人として誇り高く生きて欲しいと、つくづく思うのだ。


穴あきレギンス

トラックバックURL:

« 夏の記憶 | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート