2018年07月13日号

心の薬…くちびるに歌を…


――おうい雲よ ゆうゆうと 馬鹿にのんきそうじゃないか どこまでゆくんだ ずっと磐城平(いわきたいら)の方までゆくんか――。


 山村暮鳥という明治時代の詩人の、「雲」と題する連作の詩の一つ。本当は昔のかなづかいなのだが、現代かなづかいにした(ごめんなさい)。「磐城平」というのは福島県の今のいわき市辺りだそうだが、それはともかく、この詩に出会った時、心に青い空がパアーッと広がって、さわやかな風が吹きわたるような、そんな広々としたいい気持ちになったのが忘れられない。うろ覚えでも、こんな好きな詩の一節が時折り、ひょいっと顔を出したりする。で、「おうい雲…」と空を見上げるだけで、こせこせした心が、ずいぶんゆったりしてしまうから、詩は心の薬のようなもんだなあと、つくづく思う。それも、良く効く特効薬かも知れない。


 仏教詩人といわれた坂村真民さん(2006年没)に、「つゆのごとくに」という詩がある。――いろいろのことありぬ いろいろのめにあいぬ これからもまた いろいろのことあらん
 いろいろのめにあわん されどきょうよりは かなしみも くるしみも きよめまろめて ころころと ころがしゆかん さらさらと おとしてゆかん いものはの つゆのごとくに――。これは50を過ぎて出会った詩で、年相応に味わい深い…というか、やはり心の薬になっている。


 詩や歌はどこの国でも地域でも、どれだけ人を慰め救ってきただろう。そういえば、うろ覚えだけど「心に太陽を…くちびるに歌を…」(ドイツの詩人・フライシュレンの詩とか)という詩があったと思う。


プラセンタ

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