2018年10月05日号

うれしい秋、でも…


 金色(こんじき)から燃えるような紅の色に変わってゆくこの季節の夕空は、息をのむほどに美しい。言い知れぬあやしさが秘められている感じさえしてしまう。夕焼けの空に浮かび上がる街並みのシルエットは、まるでおとぎ話の影絵のようだ。季節は、もう晩秋を迎えようとしている…。


 秋は、山の子供たちにとって、もしかしたら一番うれしい季節だったかも知れない。栗、山ぶどう、アケビ、コクワ…山を駆け巡るのに忙しい。祖母が喜んでくれるのがうれしくて、学校帰りに山に入り、キノコを採って歩いた記憶もある。晩の汁の実になるのだった…。


 おそらく、原発事故の放射性物質(放射能)に汚染された福島の山々では、たったそれだけのことでも許されない。はるかに広がる山々の“山の恵み”が一夜にして毒に変わってしまった現実…。誰にも責任が取れない、何をもってしても償(つぐな)えない。山と共に過ごしたはずの失われた時間は取り戻せないのだ。


 東日本大震災の東電・福島第一原発事故により、全国的に停止されていた原子力発電が再稼働し始めている。人間の力で制御できないものを、必要もないのに再び動かそうという無責任さと愚かさ…。人々から大地(国土)を奪い、想像を絶する苦しみを負わせた原子力発電を、まだ動かそうというこの国のあり様に絶望している。


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