2019年05月10日号

春の恵み


 春の山菜は繊維質たっぷりで、その苦味には新陳代謝を活発にし、冬になまった体の働きを目覚めさせる効果があるという。季節ごとの山海の恵みはそのまま大切な糧(かて)となり、さらにまた体調を整える薬にもなった…その先人の知恵…。


 東北の山深い部落に生まれ育ったから、もの心がついた時から雪どけとともに芽吹く野の菜を摘むのを待ちこがれた。そのうち山菜の見分け方、見つけ方をつかめばちょっとずつ一人前扱いされる。例えば、ウドは崖(がけ)の斜面などに生えやすくて、前の年の白いホダ木(枯れた木)の根元に出てくる…といった経験で得る知識なのだが、そうして身をもって覚えて大人扱いされるのが、子供心にうれしかったのを覚えている。


 日本各地それぞれに本当にさまざまな山菜があるなぁと、つくづく思う。油が高価で天ぷらなどはぜいたくだった昔とは、料理法そのものに違いがあるが、ある土地では見向きもされないものが、別の土地では驚くほどに珍重されていたりする。例えば山形や秋田の南の方では「サシボ」などと呼んで、どこにでも嫌というほど生えるあのイタドリの若芽を喜び、山形の一地方でドンゴイなどと呼ぶイタドリの茎の塩漬けなども、保存食の文化として受け継がれている。いずれにしても、そのすべての食べ方・保存法が先人の知恵の積み重ねだ。


 ゼンマイ、ワラビ、竹の子…春の恵みはまだまだ続く。


タートルネックカットソー

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