高血圧には二次性もあります/札幌藤島クリニック 藤島知則医師

高血圧には二次性もあります

札幌藤島クリニック 藤島知則医師

■二次性高血圧って?
高血圧の多くは、本態性高血圧といわれる生活習慣や遺伝的素因によるものですが、二次性高血圧という、特定の原因によるものもあります。
高血圧全体の一割程度、あるいはそれ以上が、二次性高血圧といわれています。通常の高血圧の治療ではなく、原因を考慮した治療を行う必要があるため、鑑別が必要です。
若い方や、急激に発症した高血圧、通常の降圧薬が効きにくかったり、腎臓・心臓・脳血管などの合併症を伴う場合、本症を強く疑います。
■二次性高血圧の原因と治療は
原因として多いのは、①腎実質性高血圧、②原発性アルドステロン症、③薬剤誘発性高血圧です。他にも、腎血管性高血圧、睡眠時無呼吸症候群などがあります。
①腎実質性高血圧 糖尿病性腎症や、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎などといった多くの慢性腎臓病が高血圧の原因となり、高血圧もまた腎障害を進行させる悪循環があります。血液検査で腎機能異常や、尿検査でタンパク尿や血尿、腹部超音波検査で腎の形態異常を認めることなどにより、本症を疑います。治療はRA系阻害薬という降圧薬を中心に使用します。
②原発性アルドステロン症 血液検査で低カリウムを認めたり、若い方、重症高血圧の方、特に40歳以下で脳血管障害の合併がある場合などに疑います。血液検査で、血漿アルドステロン濃度(PAC)と血漿レニン活性(PRA)を測定し、その比が上昇している場合本症が示唆されます。副腎の腫瘍や過形成等が原因となります。
③薬剤誘発性高血圧 薬の中には血圧上昇作用を持つものがあります。鎮痛薬や、甘草を含む漢方薬、消化器疾患治療薬、がん等の治療に用いられる分子標的薬など、さまざまなものが当てはまります。
健康補助食品等にも該当するものがあり、注意が必要です。
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