スープで街に笑顔広げたい 江別の「ビストロ&カフェ SOUP」 半年ぶりに再開

江別市2条2丁目のスープ専門店「ビストロ&カフェSOUP」がリニューアルオープンした。地元の野菜を使ったシンプルでやさしい味のスープにファンも多く、昨年12月以来半年ぶりの再開に、地域の人々は喜んでいる。
 スープソムリエの資格を持つ境珠美さんが、昨年1月に開業した。東京出身の境さんは大学進学を機に北海道に移り住んだ。両親と一緒に美瑛でレストラン経営などに携わり、江別に移る前は、赤井川村で花と野菜関係の仕事をしていた。この間、野菜コーディネーター、発酵食スペシャリスト、薬膳アドバイザー、食育アドバイザーなど食に関する資格をいくつも取得した。
 スープの店を開くきっかけとなったのは、2年前の北海道胆振東部地震。赤井川村に観光で訪れていた人たちに炊き出しでスープを提供したところ、「肌寒さも感じる秋の北海道で、温かいスープを食べた人たちの笑顔が印象的だった」(境さん)。
 縁あってJR江別駅から千歳川方面に建つ築100年の旧北陸銀行江別支店の石造りの建物に引かれ、ここで店を開くことを決めた。建物は文化庁の登録有形文化財に指定されている。
 野菜は、地元の生産者から直接提供してもらっている。食材は、アスパラ、ブロッコリー、トウモロコシ、ジャガイモ、ニンジン、ビーツなど旬替わり。野菜の味をじゃましない鶏もも肉の出汁を使い、味付けも最小限にとどめて素材のおいしさをしっかり味わえるようにしている。寒い季節には自慢のボルシチもラインナップに加わる予定だ。
 境さんは「江別の人と野菜がなければ、この店のスープは完成しません。私自身も、この土地のファンとして、地域の人たちと一緒にまちの歴史をつないでいきたい」と話している。
 現在提供しているスープは「ブロッコリーとブルーチーズのポタージュ」。サラダ、副菜、ライス、コーヒーか紅茶付きで1650円(税込)。食事のほか、コーヒー、ミルクコーヒー、紅茶などドリンクも提供している。新型コロナウイルス対策のため、しばらくは月・火定休、午前11時から午後3時までの営業。
 問/ビストロ&カフェSOUP【TEL】090―9967―1971