地域で子育て応援「おごチケ」が好評 SNS通じて全国から500円券チャージ集まる 感謝伝える「メッセージ」も

 江別の大麻銀座商店街のコワーキングスペース内のカレー店「カレーパンドラ江別店」が始めた、地域の子どもたちのためにカレーの料金を大人が先払いしてあげるシステム「おごチケ」が好評だ。同店マネジャーの鈴木竜馬(りゅうま)さんは「商店街や地域全体で子育てを応援する仕組みとして育てたい」と話している。
 コワーキングスペース「SUNABACO EBETSU」にはプログラミングスクールもあり、そこの一期生である鈴木さんが経営マネジメントを、阿部章子さんが調理と接客を担当する。おごチケは、電子決済などで500円単位のカレーチケットをチャージして、同店を訪れた子どもたちがそのチケットを利用して、食事ができる仕組み。基本のチキンカレーは500円で、チーズや野菜などのトッピング付きは、差額分を払えば注文できる。カレーをごちそうになった子どもたちは、チケットをチャージしてくれた人に感謝のメッセージを付箋に書いて、「ありがとう」の気持ちを伝える。メッセージは店内のボードに張り出すほか、SNSを通じて、遠方からチャージしてくれた人にも送られる。
 同商店街では、子どもたちが歩道で「ケンケンパ」をして遊ぶ姿など、昭和を思わせる古き良き懐かしい風景が見られる。近くには学童保育所や障害児の支援施設もあり、そこの先生が鍋を持ってきて、おごチケを使って子どもたちのためにカレーをテイクアウトしていくこともある。プログラミングスクールには子連れで通う母親も多く、子どもたちの出入りが多い場所という特色も、おごチケを始めるきっかけとなった。
 現在のところ、チャージされた500円チケットは20枚以上あるが、残りが少なくなったらSNSで支援を呼び掛けると、すぐに沖縄、四国など全国各地から反応がある。中には、一人で1万円、2万円とまとめてチャージしてくれる人もいる。
 新型コロナウイルスの影響で、休業する飲食店が増えた時期は、「子育て中の親が大変な思いをしている時こそ、おごチケが必要」とあえて営業日数を拡大した。
 鈴木さんは「地域で子育てを応援するのが当たり前になるように、おごチケの仕組みが特別なものでなくなればうれしい」。阿部さんは「成長した子どもたちが、食への感謝や人とのつながりを大切に思うようになってほしい」と話している。
 おごチケを利用出来るのは中学3年生以下。対象年齢の子どもを連れて家族で来店すれば、家族全員でチケットを利用できる。
 カレーパンドラ江別店/大麻東町13―6。午前11時30分~午後2時、午後5時~8時。土日はランチのみ。木曜定休。