魚介類をおいしく食べよう正しく知ろうアニサキス 食中毒が急増傾向生食時は事前に冷凍を 札幌市保健所

 魚介類の寄生虫アニサキスによる食中毒が増加傾向にあることから、札幌市保健所食の安全推進課で注意を呼び掛けている。
 アニサキスは、体長2~3㎝の半透明白色の寄生虫で、生きたまま人の胃や腸壁に侵入すると、急性胃腸炎を引き起こすことがあるという。主にサバ、サンマ、スルメイカ、イワシ、ニシンなどの内臓の表面に寄生するが、筋肉や身にも存在することもある。魚に寄生しているアニサキスは幼虫で、人間の体内では成虫になれないため、通常はそのまま排泄され、人から人へ感染することはないという。
 【予防方法】
 ◇加熱▽加熱調理が最も効果的な予防方法。魚介類を加熱して調理する際は、十分加熱(60℃、1分間以上)を。◇冷凍▽マイナス20℃以下24時間以上の冷凍で死滅する。家庭では冷凍庫の仕様や扉の開閉等でマイナス20℃を保持できない場合があるので、注意が必要。通常の料理で用いる程度のワサビ、醤油、レモン、酢などではアニサキスは死滅しない。◇内臓除去▽アニサキスは、主に内臓の表面に寄生するが、魚の鮮度が落ちると虫体は内臓から筋肉へと移行する傾向が見られる。魚介類を生で食べる際には、より新鮮なものを選び、魚介類を処理するときは、新鮮なうちに速やかに内臓の除去を。冷凍処理していないという意味で「生」というシールが貼られていることがあるが、「生食できる」という意味ではないので注意を。◇目視確認▽魚介類にはアニサキスが寄生している可能性があることを認識し、調理の際には寄生虫がついていないか、明るい場所でよく確認する。アニサキスについては、札幌市食の安全ホームページでも紹介している。
 詳細は、住んでいる地域の保健センターまたは保健所へ。