農家とレストランがタッグ 食の力で地域元気に マルシェで農産物や惣菜販売

 江別市篠津の宮川農園と、同市見晴台のフレンチレストラン・シェキノが、タッグを組んで朝採りの野菜や惣菜を販売する「キノ宮マルシェ」を始めた。同農園代表の宮川豊さんと、シェキノのオーナーシェフ木下淳さんは「コロナ禍で明るい話題が少ない中、食の力でみんなを笑顔にしたい」と張り切っている。

 宮川農園は、130年以上前から代々続く家族経営の農家。豊さんは5代目で、稲作を中心に、ブロッコリー、かぼちゃ、トマト、キュウリなどを生産している。緑肥や糠、微生物の力で土づくりから取り組み、できるだけ肥料散布を抑えながら、収量や大きさよりも質を大切にした農業を実践している。
 収穫のタイミングも、作物が一番おいしい時期を見極めている。例えば、トマトやメロンなら大玉の方が見栄えもよく、価格も付きやすいが、味がぼやけてしまうため、熟したものだけを収穫している。
 農産物は、主に近郊の直売所や札幌の小売店に直接出荷している。スーパーより価格が高くなることもあるが、そのおいしさを知っている消費者は、価格を見ずに購入していく人も多い。
 一方、シェキノの木下さんも江別出身。札幌、東京のホテルで腕を磨き、15年前に古里で自らの店を構えた。提供するのは本格的なフレンチのコース料理だが、価格は6000円、4000円とリーズナブル。北海道の農産物は、東京の有名レストランではその価値が何倍にもなって提供されている。それらと同等レベルの料理を、地元の人たちに手ごろな価格で提供している。また、地元の飲食店と合同でディナーパーティーを開いたり、料理教室やワイン会を主宰するなど、まちとの関りも深い。
 宮川さんの妻で、企画・マーケティングを担当する育美さんが、木下さんの料理教室に参加していた縁もあり、今回のマルシェの企画が持ち上がった。
 宮川さんと木下さんは「新型コロナウイルス感染症の影響で、みんな気持ちが下がっていると思う。自分たちにできるのは、食を通じて、地域に元気を届けること。自慢の農産物と料理を用意してお待ちしています」と話している。
 マルシェは、10月31日(土)までの毎月第2・第4土曜日、午前10時から午後1時まで、シェキノ駐車場(見晴台71―2)で開催する。宮川農園のとうきび、ブロッコリー、トマトなどの農産物や、その農産物を使った、キッシュ、野菜のスープ、カレーなどを販売する。次回開催は8月22日(土)。
 問/宮川農園(篠津302、miyakawa.nouen@
gmail.com)