平成30年の厚別・江別犯罪発生状況 全国・全道とも警報犯罪減少 ピーク時の3割以下に

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警察庁の発表によると、平成30年1年間(1~12月)の全国の刑法犯罪認知件数(通報などにより発生が認知された事件数)は81万7338件で、前年より1割以上(10・7%減)、件数にして9万7704件減少した。犯罪認知件数285万3739件にのぼった平成14年をピークに翌平成15年から毎年減り続け、16年間で3分の1以下(28・6%)になった。犯罪別の前年対比は、殺人・強盗・放火・強制性交等の「凶悪犯」が1・2%増となったものの、暴行・傷害・脅迫など「粗暴犯」は1・6%減、「窃盗犯」は11・2%減、詐欺や横領、汚職など「知能犯」が9・4%減、わいせつなど「風俗犯」が6・1%減とほとんど減少している。「凶悪犯」の前年比増は、“強制性交等”が都市部を中心に全国で198件増加したのが原因で、それ以外の犯罪は減少している。 一方、北海道警察が発表した平成30年の刑法犯罪認知件数は2万5459件。前年比9・6%減、2701件の減少といぜん減少幅が大きい。やはり平成15年から16年連続して減少し、全国統計と同様に、近年でもっとも犯罪件数が多かった平成14年(9万4091件)の27・1%にまで減っている。16年間でやはり3分の1以下になった。犯罪別の前年対比は、「凶悪犯」が平成30年は4・5%増加、「粗暴犯」は同5・1%増、「窃盗犯」同10・3%減、詐欺など「知能犯」同12・8%減、わいせつ犯罪など「風俗犯」同13・7%減――。北海道内では前年に引き続いて暴行(暴力をふるう犯罪)や傷害(けがをさせる犯罪)など「粗暴犯」が増加傾向にあるのが注目される。「粗暴犯」は前年同様、道内市部・町村部とも増加しているが、特に特定の犯罪行為が目立つ傾向ではなく、最近は、日常のさまざまなもめごとや例えば交通ルール上の言い争いなども、そのまま警察に持ち込まれたりする例が増えているといわれている。人々の間に相互不信とモラルの混乱が広がり、そんな世相を反映しているという見方がある。「許せない」「何をされるかわからない」…まずすぐに警察に通報する、そんな意識が感じられると現場の警察官が語っていた。 厚別警察署管内 (厚別区・北広島市) 厚別署管内の平成30年1~12月の犯罪認知件数は910件、前年に比較して52件(5・4%減)の減少。この数は犯罪発生のピークとなった平成14年(3787件)の24・0%で、4分の1以下に減少したことになる。 犯罪別には、他の市町村と同様に暴行や障害など「粗暴犯」の増加が目立ち、特に暴行は平成28年36件から29年には62件に、そして30年には81件に増えている。 江別警察署管内 (江別市・新篠津村) 江別署管内の刑法犯認知数は、平成27年が679件、前年比21・9%減と大幅に減少し、28年も628件同7・5%減となったものの、平成29年には645件同2・7%増、30年には649件同0・6%増と微増し、増加傾向に転じている。30年の認知数は近年のピークだった平成14年(2430件)に比較すると26・7%。 犯罪別には、「粗暴犯」が平成29年に前年の2倍以上の51件に激増したのが、30年は7件減少しただけでいぜん多い。「窃盗犯」は侵入盗が微増。特に空き巣が全市的に増加し10件から18件に増えたほか、忍び込みも0件だったのが11件と目立っている=「空き巣」留守時に侵入/「居空き」在宅時に侵入/「忍込み」就寝時に侵入=。非侵入盗では自転車盗がいぜん多いほか、部品ねらい、車上ねらい、万引きなどが増加している。