コレステロールが高いと言われたら/札幌藤島クリニック 藤島知則医師

コレステロールが高いと言われたら

札幌藤島クリニック 藤島知則医師

 日本人の死因は、1位が悪性新生物(がん)、2位が心疾患、3位が肺炎で、4位が脳血管疾患です。いわゆる悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールが高いなどの脂質異常症があると、動脈硬化を引き起こし、心疾患や脳血管疾患のリスクが高まります。脂質異常症を治療することにより、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞などを減らすことができます。
 脂質異常症の診断には、一般的には日本動脈硬化学会が定めた基準が用いられます。冠動脈疾患の既往および、糖尿病や慢性腎臓病、非心源性脳梗塞、末梢動脈疾患の合併の有無を確認のうえ、年齢、喫煙の有無、血圧、LDLコレステロール値などをスコアリングし、リスク分類して管理目標を設定します。頸動脈エコーという、頸の血管を超音波で見る検査も、動脈硬化を直接観察することができるので、参考になります。
 脂質異常症の治療の基本は、生活習慣の改善です。禁煙。過食を抑え、標準体重を維持する。肉の脂身、乳製品、卵のうの摂取を抑え、魚類、大豆製品を増やす。野菜、果物、未精製穀類、海藻を増やす。減塩(6g/日未満)。節酒(25g/日以下。日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯相当。)。有酸素運動を毎日30分以上行う。などが推奨されます。
 生活習慣の改善で効果不十分の場合、内服治療を行います。コレステロールの合成を阻害するスタチンや、小腸からのコレステロール吸収を抑えるエゼチミブ、主に中性脂肪を低下させるフィブラートといった薬を使います。EPAという青魚に含まれる不飽和脂肪酸から作られる薬もあり、中性脂肪を下げるほか、血流を改善する効果もあります。
 日本人の4人に1人は、心疾患もしくは脳血管疾患で亡くなります。脂質異常症を放置せず、適切に治療して動脈硬化を予防しましょう。
 札幌藤島クリニック/厚別北4条4丁目1―8電話801―7707。