めまいの仕分け

くろだ耳鼻咽喉科クリニック 黒田努院長

今回はめまいについてのざっくりとした話です。
狭い意味でのめまいは目が回ること、自分が回る、周囲が回って見えることを指します。回転性めまいと呼ばれ、原因として多いのは耳の内耳ですが、小脳の病気、心因的にも起こることがあります。
広い意味では、ふらつき、浮いた感じ、沈む感じ、などが含まれます。浮動性めまいとも呼ばれます。原因は様々ですが、内耳では回転性めまいの回復期、回転に至らない程度の軽度の内耳性めまい、慢性化した内耳性めまい症など、脳では脳に入る動脈血流の低下、内科的には貧血、低血圧、高血圧、不整脈、低血糖など、その他にも疲労、ストレス、睡眠不足なども原因となります。
めまいの続く時間ですが、一瞬くらっとするものから一週間以上回転が続くものまで様々です。短時間で消失するものでは危険なめまいが隠れているか可能性は低いと考えられますが、動く度に反復する場合は良性発作性頭位めまい症に代表される内耳性のめまい症、急に立ち上がった時の起立性低血圧（たちくらみ）を疑います。長時間の回転、嘔吐が続く場合は脳梗塞、メニエール病、前庭神経炎など脳、内耳の病気を考慮します。
気が遠くなる、意識が消失する、失神などの場合不整脈のような心臓、循環の異常を考えます。内耳のめまいで意識がなくなることはありません。
夜間、休日に発症した場合どうするかですが、一見して激しいめまい、嘔吐が続く、体にしびれや麻痺がある、強い頭痛を伴うなどがありましたら救急病院を受診した方が良いでしょう。先のような症状も無く短時間で改善するなら経過をみても良いと思われますが、聞こえが悪い、つまり感、耳鳴りなどが同時に現れた場合は突発性難聴、メニエール病の可能性がありますので、翌日以後の平日の外来を早めに受診して下さい。

くろだ耳鼻咽喉科クリニック 黒田努院長

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